このままでは第2の「珪藻土・アスベスト」事件が起きる ニトリやカインズは真相を解明できるか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
2020年末、珪藻土バスマットなどにアスベスト(石綿)が混入していたとして大騒動になった。はたして、真相は解明されるのか。結局は、“うやむや”にされてしまう可能性もある。
米国や中国では禁じられていない
一般社団法人のJATI協会(旧社団法人日本石綿協会)では、アスベストを禁止している国を公式Webサイトで公開している。日本以外では61カ国が禁止している。このリストによると、ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、イタリア、韓国、ブラジルなどではアスベストを禁止している。しかし、中国、米国、タイ、ロシア、インド、北朝鮮などでは禁じられていない(2018年時点)。海外で生産した場合には、よほど検査を徹底しなければ、自国の法律に照らし合わせて、何の悪気もなく混入させてしまうリスクが常に存在しているのだ。
日本珪藻土日用雑貨製造協会では、「珪藻土は湿気を吸ったり放出したりする、吸水・調湿の機能に優れている。アスベストには耐火、補強などの機能があるが、耐久性を高めようとしたのではないか」と、推測している。
同協会は、日本産の安全な珪藻土を原材料とし、日本で製造された安心な珪藻土商品を知ってもらうために活動している団体だ。厚労省の通達に基づき、加盟各社が珪藻土バスマット製品のアスベスト含有分析を行い、第三者機関の分析調査も加えて安全性を確認。宇部興産建材「なのらぼ」ブランドの6商品と、soil「soil 」ブランドの4商品を認定商品として、認証マークを表示している。
厚労省では、珪藻土バスマットへのアスベスト混入には、2通りのケースがあると考えている。1つは、中国のようなアスベストの使用が禁じられていない国での海外生産で、ニトリ、カインズ、不二貿易が該当する。もう1つは、アスベストが禁止になる前に、国内で製造された素材を使って生産したケースで、堀木工所が該当する。
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