このままでは第2の「珪藻土・アスベスト」事件が起きる ニトリやカインズは真相を解明できるか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
2020年末、珪藻土バスマットなどにアスベスト(石綿)が混入していたとして大騒動になった。はたして、真相は解明されるのか。結局は、“うやむや”にされてしまう可能性もある。
きっかけは大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品
なぜ、珪藻土バスマットにアスベストが混入していることが相次いで発覚したのか。発端は、20年11月27日、大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品にアスベストが含まれていることが判明したことだ。その報告を受けて、同日厚労省がメーカーにアスベスト使用禁止の通達を行った。
そして、独自の点検を行ったメーカーから、「アスベストが検出された」という報告が相次いだ。
大阪府貝塚市にある堀木工所が、アスベストが禁止になる以前の材料を使ってバスマットやコースターを製造。その材料は16年8月〜20年2月に使われていたが、残りを産廃業者に引き渡そうとしたところ、産廃業者から「念のため、アスベストが含まれていないか調べてほしい」と依頼された。堀木工所が検査したところ、アスベストは検出されなかった。
ところが、念には念を入れてということで貝塚市で再度調べたところ、基準を上回るアスベストが検出された。そして、市の要望で、堀木工所から厚労省にさらなる検査を依頼した。すると、サンプル検査でコースターに基準以上のアスベストが検出された。バスマットからは検出されなかった。
このような微妙な経緯で、堀木工所が通販などで販売した商品とふるさと納税返礼品に、アスベストが混入していると厚労省が発表した。対象となったのは、「CARACOバスマット」(1万7460枚)、「コースター」(8490枚)、「エコホリン(消臭・調湿材)」(3020枚)。
なお、堀木工所が素材を仕入れた先は既に倒産している。そのため、いかなる経緯で珪藻土にアスベストが混入したかの究明は、まず不可能と見られている。
厚労省の当該文書には、保有している人は一般のごみとして廃棄せず、メーカーや市から発表される回収方法に従うよう記されている。また、通常の使い方ではアスベストが飛散する恐れはないが、削ったり割ったりした場合には、ビニール袋などに入れ、しっかりと封をして回収まで保管する必要があるとしている。
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