「ふざけんなよと」怒り爆発 大手外食が“露骨に冷遇”されるワケ:スピン経済の歩き方(5/6 ページ)
「ランチがどうのこうのと言われました。ふざけんなよと」――。サイゼリヤの社長がキレたわけだが、その気持ちも分からないわけではない。東京都の感染拡大防止協力金(1日6万円)をみると、中小企業や個人事業主には配られるのに、なぜ大手チェーンには支給されないのか。その背景にあるのは……。
露骨な「介入」
国民政治協会の収支報告書をみると、NTTドコモからの献金は1200万円、KDDIは600万円。ソフトバンクの名前は見つけられなかった。もちろん、2社で1800万というのは大きな額ではあるが、やはり他業界、他の業界トップ企業からみると見劣りする。
例えば、自動車業界では、日本自動車工業会が8040万円、トヨタが6440万円、日産が3700万円。電気産業では日本電気工業会が7700万円、日立製作所が5000万円という数字が並んでいる。
もちろん、自動車業界の「脱ガソリン政策」を見れば分かるように、多額の献金を払っているからといって、露骨になんでもかんでも優遇してくれるわけではない。ただ、もし携帯電話会社が自動車業界くらい政治への影響力があれば、あれほど露骨な「介入」はなかったのではないか。
なぜそう思うのかというと、自民党に対してすさまじい額の政治資金を出し、選挙にも協力をしている政治的影響力の強い団体が、政治からまったく「介入」されていないからだ。
勘のいい方はもうお気付きだろう、そう、日本医師会だ。
誤解している人が多いが、日本医師会というのは、現場で死ぬ思いをしている医療従事者たちのためにある団体ではなく、小さな医院・クリニックの「経営者団体」であり、性格としては中小・個人事業主の優遇を求める日本商工会議所や、全国商工会連合会に近い。
だから、ロビイングもよく似ている。あまりこういうことを書くと、「感染を減らすために一致団結する時に揚げ足を取る非国民め!」と怒られるのでサラッとしか書かないが、日本医師会の政治団体、日本医師連盟は、自民党の政治献金の受け皿である国民政治協会に19年4月に1億円。同年12月5日にさらに1億円を寄付している。
さらに、与党議員を中心におよそ計4億7300万円を寄付しており、政治資金パーティーの会費などにも約6000万を費やしている。ちなみに、東京都知事の小池百合子氏の政治団体「百成会」の19年分収支報告書を見れば、東京都医師政治連盟から「政治資金パーティーの対価」として280万円が払われている。
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