資生堂、「TSUBAKI」など日用品事業の売却を検討 低価格ブランドの競争激化で:高付加価値ブランドに注力
資生堂は、ヘアケアなどの日用品を扱うパーソナルケア事業を売却すると報道されたことについて、売却を「検討しているが、現時点で決定した事実はない」と発表した。低価格帯商品の競争激化や、高付加価値ブランドを強化する方針が背景にある。
資生堂は1月22日、ヘアケアなどの日用品を扱うパーソナルケア事業を売却すると報道されたことについて、同事業の投資ファンドへの売却を「検討しているが、現時点で決定した事実はない」と発表した。ヘアケアブランド「TSUBAKI」など、量販店で展開する低価格帯商品の競争激化や、高付加価値ブランドを強化する方針が背景にある。
パーソナルケア事業の売却については同日、ブルームバーグが報じた。
パーソナルケア事業では、ドラッグストアやスーパーなどの量販店を中心に、低価格帯のヘアケア、スキンケア、ボディケア商品などのブランドを展開。TSUBAKIのほか、スキンケアブランドの「専科(SENKA)」、デオドラントブランドの「Ag DEO 24」、ボディケアブランドの「SEA BREEZE」などがある。
資生堂は同事業について、2021年上半期をめどに「CVC Asia Pacific Limitedに譲渡すること、そして、その後、同事業を運営する新会社の株主として参画し、同事業のさらなる成長と発展に協力していくこと」などを現在検討しているという。
同社は以前から「プレステージファースト戦略」を掲げており、今後も高付加価値のスキンケア領域を中核事業と位置付け、さらに取り組みを強化していく方針だ。デジタル技術も活用し、30年までに「高付加価値スキンビューティー領域」で世界トップになることを目指している。
一方、低価格帯のブランドについては、日本のほかアジアで広く展開し、認知度も高いが、市場の競争が激しい。同社は、競争激化の中でパーソナルケア事業をさらに成長させるためには、商品開発や広告宣伝などへの重点的な投資が必要だとし、「それを可能とする新しい事業モデルを構築すべく、上記の案を含めさまざまな検討を行っている」と方針を示した。
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