コラム
今年ブレイクしそうな「アップサイクル」、どうやって活用しているのか:事例紹介(4/4 ページ)
「アップサイクル」という言葉をご存じだろうか。不要になったモノに新たな付加価値を与え再利用することだが、今年ブレイクしそうな予感が漂っているのだ。アップサイクルを活用している事例を見ると……。
地球や人にも優しいビジネスとして注目
こうしたフード業界のアップサイクルの需要を反映してか、米国では19年に「The Upcycled Food Association(アップサイクル・フード協会)」という非営利団体まで立ち上がった。
ハーバード大学やペンシルベニア州にあるドレキセル大学の研究員、食品廃棄物を削減するのを目標に立ち上げられた非営利団体「ReFed」、WWF(世界自然保護基金)やNRDC(研究開発評議会)など、100もの個人や企業団体などがメンバーとなっている。
「The Upcycled Food Association」は、アップサイクル食品の定義を明確にし、偽善的に環境問題に取り組んでいるような企業と差別化する狙いがある。最も重要なのは、アップサイクルした原材料を使い商品に付加価値を与えることで、食品廃棄物を減らすことが目標だ。
環境や社会問題に対する企業の責任がこれまでになく必要とされている今日では、明確な目標を持ったブランドでないと支持を得られるのが難しくなっている。そうしたことから、アップサイクルは発想の転換により企業の利益を最大化させるだけでなく、地球や人にも優しいビジネスとしてますます注目が集まるのではないだろうか。
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