三陽商会、国内工場2社を統合 スーツやコートの需要縮小、効率化図る:新たに研究開発機能も
三陽商会は2月1日付で、自社工場を運営する子会社のサンヨーソーイング(青森県)とサンヨー・インダストリー(福島県)を統合する。ビジネス用スーツやコートの需要縮小が理由。新たに研究開発機能を持たせた生産拠点とし、生産体制の効率化を図る。
アパレル大手の三陽商会は1月27日、自社工場を運営する子会社のサンヨーソーイング(青森県)とサンヨー・インダストリー(福島県)を2月1日付で統合すると発表した。ビジネス用スーツやコートの需要が縮小していることから、スーツとコートの生産に特化する2社を統合。新たに研究開発機能を持たせた生産拠点とし、生産体制の効率化や市場ニーズに対応した商品開発を進める。
サンヨーソーイングはコート生産、サンヨー・インダストリーはスーツ生産に特化した工場を運営してきた。しかし近年、働き方の多様化や新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの広がりなどにより、ビジネスパーソンのスーツやコートなど、従来の仕事服の需要が縮小。2社の生産体制の効率化やコンパクト化が急務となっていた。
2社は存続会社をサンヨーソーイングとして統合。「青森ファクトリー」(本社)と「福島ファクトリー」の2工場体制となる。
2つの工場の機能は維持した上で、三陽商会の企画・技術開発部門と連携した研究開発機能を持たせる。具体的には、連携によって縫製工程や素材に応じた生産法を検証する機能を確立し、商品開発の迅速化を図る。また、2工場と三陽商会の技術開発部門によって、パターン設計から商品サンプル作製までを一貫して行うことで、量産までの短サイクル化を目指す。
市場ニーズへの対応や生産の効率化の取り組みも急ぐ。コートに特化してきた青森ファクトリーでは、生産する商品をアウター全般に拡充するとともに、小ロットによる短納期での生産体制を整える。福島ファクトリーでは、カスタマイズ化・カジュアル化など変化するスーツ市場に対応するため、パーソナルオーダーに対応可能な素材やデザインのバリエーションを広げる取り組みを進める。
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