新生銀行とマネックスが包括的業務提携 証券口座をマネックスに移管
マネックス証券と新生銀行、および新生銀行子会社の新生証券は1月27日、金融商品仲介業務における包括的業務提携を結ぶと発表した。マネックス証券が投資商品の開発と口座管理を担い、新生銀行グループは顧客基盤を生かし販売やコンサルティングにフォーカスする。
マネックス証券と新生銀行、および新生銀行子会社の新生証券は1月27日、金融商品仲介業務における包括的業務提携を結ぶと発表した。マネックス証券が投資商品の開発と口座管理を担い、新生銀行グループは顧客基盤を生かし販売やコンサルティングにフォーカスする。2022年1月から新体制での運用を行う予定。
新生銀行と新生証券の、投資信託と債券の口座を、吸収分割の方法でマネックス証券に移管する。新生銀行の投資信託預かり残高は2867億円(2020年3月期)、新生証券の債券預かり残高は同時期で2079億円となっている。
これまで金融業界では、自社で販売やアフターフォローから、商品の開発、口座の管理までを一貫して行うことが多かった。しかし、地銀における収益力は低下しており、証券会社では手数料下落圧力が増している。また、金融庁が「顧客本位の業務運営」を更新したことで、自社で複数の商品を取り揃えて提案することが重荷になってきている。
こんな背景のもと、裏側の商品開発および口座管理と、販売と顧客対応を切り分けて得意分野に注力する動きが加速している。SBI証券や野村證券は、複数の地銀と提携を加速。フィンテック領域の中でも、おかねのデザインが商品開発にフォーカスし、口座管理と顧客対応をSMBC日興証券に移管する。
自前主義一辺倒だったこれまでから、顧客基盤を持つ企業と、資産運用プラットフォームを提供する企業へと、再編が加速しそうだ。
関連記事
- 金融機関の「顧客本位の業務運営」、顧客の5%しか活用せず 生かすための方法は?
金融庁が3年前に提言した「顧客本位の業務運営の原則」。採択している事業者の数は増えてきており、その数は2019年6月末時点で1679だが、原則の採択が目的化しているのではないかという懸念もある。 - 地銀の再編は“数の減少”にあらず? プライドを捨てて強み生かせるか
地方銀行の“再編”が待ったなしだ。しかし再編とは何か。「再編イコール、数を減らすというイメージがあるのではないか? そこに違和感、問題意識を感じている」。そう話すのは、日本資産運用基盤グループの大原啓一社長だ。 - なぜ今、証券業界で手数料無料化が進むのか?
証券業界の売買手数料無料化の流れが加速している。米証券大手のチャールズ・シュワブは10月1日に手数料撤廃を発表。国内でもSBIホールディングスは10月30日の決算発表にて、傘下の証券会社の取引手数料を今後3年でゼロにする構想を打ち出した。 - 資産運用会社も無料化チキンレース? まだ残る3つの収益源
株式売買手数料だけでなく、投資信託でも進むコストゼロ化。日本資産運用基盤グループの大原啓一社長は、「戦略性がなく、顧客の課題を解決する意識も欠如している。チキンレースではないか」と評する。無料化の流れの中、アセットマネジメントビジネスに残る、3つの収益源とは? - IFAの業界団体、ファイナンシャル・アドバイザー協会が本格稼働 17社加盟
独立系金融アドバイザー(IFA)の業界団体、ファイナンシャル・アドバイザー協会が本格稼働を始めた。1月に設立、4月に発足し、5月29日にWebページを開設。仲介会社の加入状況などを公開した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.