中村玉緒さんのおかげで“脱・ローカル” ご長寿商品「マロニーちゃん」がコロナに負けず絶好調の理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
お鍋のお供として有名な「マロニーちゃん」。売り上げが冬に集中していたが、春や夏にも売れた。その理由とは?
健康志向が追い風
同社が自信を深めているのは、マロニーちゃんが、低カロリーでグルテンフリーの健康志向に合った商品であることだ。
20〜25グラムのマロニーちゃんをゆでると、約100グラムになる。エネルギーは70〜90キロカロリーだ。同じ100グラムでも、白米のご飯は約168キロカロリー、食パンが約264キロカロリー、中華麺(ゆで)が約149キロカロリーだ。これらと比べると非常に低カロリーである。また、創業以来、マロニーの製造ラインはマロニーのみをつくっており、アレルギーを引き起こす特定原材料等28品目は含まれていない。
マロニーの年商は2016年時点で27億円。ハウスの傘下に入ってからは公表していないが、同社・広報によれば当時とあまり変わっていないようだ。18年と19年は暖冬の傾向が強く、逆風だったという。コロナ禍となってからは、市販の商品は絶好調だが、業務用が落ち込んでいるのが懸念点だ。
しかし、アフターコロナではテレワークが定着していく可能性がある。
マロニーちゃんは健康も意識した商品だという強みを持っている。また、単身者やオフィスワーカー向けにはスープマロニーちゃんが浸透していけば、すみ分けが可能となる。そう遠くない未来に売り上げ倍増も夢でないのではないだろうか。
【お詫びと訂正:2021年01月28日午前5時の初出、記事のタイトルで中村玉緒さんの名前を間違って記載しておりました。1月30日午前8時20分、該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。】
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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