ソフトバンク、KDDIとの頂上決戦 NTTドコモの新プラン「アハモ」担当者に狙いを聞いた：55万人超えの申し込み（4/5 ページ）

NTTドコモ、KDDI（au）、ソフトバンク。携帯大手3社のスマートフォン利用料の値下げ案が出そろった。3月から新しい料金体系による販売競争が始まる。ドコモが2020年12月に若者をターゲットに打ち出した新料金プラン「ahamo（アハモ）」は、発表後1カ月で50万人以上が申し込むなど注目を集めている。「アハモ」のサービス設計者らにインタビューして狙いを探ってみた。

[中西享，ITmedia]

「ファミリー割引」は継続

　一方、ドコモ回線を契約することで、家族内の通話が無料となる「ファミリー割引」は、「アハモ」でも申込みを受け付ける。ただし、「アハモ」回線からの発信は有料で、「アハモ」回線への発信のみ無料となる。

　ファミリー割引内で、契約回線数が増えるごとに月額料金を割り引く「みんなドコモ割」では、「アハモ」自体は割引対象外とした。ただし、「アハモ」回線も契約回線数にカウントする。また、光回線のドコモ光をセットで契約すると割引となる「ドコモ光セット割」については対象外。ただし、「アハモ」をドコモ光のペア回線（請求一括）には設定可能だ。

NTTドコモ「ahamo（アハモ）」の提供条件

ショップの見直しに

　今回の新プランの特徴の1つが、新規申し込み手続きなどを全てオンラインで実施することだ。相談窓口も専用チャットのみ、故障対応もオンラインからだけになる。ほかの2社も同じ方式で、ドコモの場合、新プランの対応はドコモショップではしないとしている。そうすることによってショップで掛かっていた経費を大幅に軽減できるからだ。

　しかし、契約者のショップの利用が減ると、全国に約2500ある既存のドコモショップをどうするかという問題が浮上してくる。au、ソフトバンクも同様にショップを抱えていて、今後の課題だ。

　これについてドコモの井伊社長はITmedia Mobileのインタビューで「ドコモショップに依存した販売形態はもともと見直さなければならない経営課題だった。（ショップを運営するために）年間数千億円かかり、販売コストをかけすぎていた。初期のころは良かったかもしれないが、経営コスト的にはここの部分を下げないと、アハモの減収分はカバーできない」と話している。「アハモ」の開始を機にドコモショップの再編統合も進むことになりそうだ。

NTTドコモが掲げるahamoの特徴