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フィンテック「金縛り」のアリババ、市場予想を上回る決算発表 〜今後はローエンド市場を強化浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/4 ページ)

アリババグループは2月2日、2020年第3四半期決算を発表した。中国当局の監視が厳しくなる中、売上高は前年同期比37%増の約3兆5600億円、純利益は同52%増の約1兆2800億円と、市場予想を上回るものとなった。今後は、コロナ禍の消費変化に対応する新事業やのローエンド市場を強化する方針を強調した。

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工場直売ECのユーザー数1億人突破

 規制の不確実性という霧は濃いままだが、少なくとも20年第3四半期において、アリババはコロナ禍という不確実性を味方につけ、大きく業績を伸ばした。

 同社の中国小売り事業の月間アクティブユーザー(MAU)は20年12月に9億200万人に達し、9月から2100万人増えた。

 中国最大のECプラットフォームでもあるTmall(天猫)の20年12月の流通総額(GMV)は前年同期比19%増加。巣ごもり需要を捉え、日用品と家具が大きく伸びた。消費者間(C2C)マーケットプレイスのタオバオ(淘宝)も、アパレル、アクセサリー、インテリア、家電が全体を牽引した。

 決算会見で張会長が比較的時間を割いて説明したのが、コロナ禍によるライフスタイルの変化と消費の二極化を象徴する小売り分野の新事業「タオバオ特価版」や「タオバオ売菜」だ。

 「タオバオ特価版」は工場と消費者を直接つなぐC2M(Consumer to Manufacture)取引のプラットフォームで20年春にローンチした。小売店やメーカーなどの中間業者を介さないため、価格も当然安くなる。アリババは決算発表のハイライトとして、タオバオ特価版のMAUが12月に1億人を超えたと発表した。


アリババグループ20年第3四半期の「セグメント別収益貢献度」

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