鉄道各社、緊急事態宣言に伴う「終電繰り上げ」継続 ダイヤ改正の前日まで:深夜の一部列車は運転再開せず
首都圏の鉄道各社は、緊急事態宣言の再発出に伴い1月20日から実施している終電時刻の繰り上げを、3月12日まで継続する。3月13日には、春のダイヤ改正による終電繰り上げを予定している。
首都圏の鉄道各社は、緊急事態宣言の再発出に伴い1月20日から実施している終電時刻の繰り上げについて、3月12日まで継続すると発表した。3月13日には、春のダイヤ改正による終電繰り上げを予定している。現行ダイヤで運転取りやめとなっている深夜時間帯の一部列車の運転を再開しないまま、ダイヤ改正を迎えることになった。
発表したのは、JR東日本や東京メトロ、東急電鉄、小田急電鉄、西武鉄道など。1月に2度目の緊急事態宣言が出た際、国や自治体から終電繰り上げの前倒しを要請され、現行ダイヤの一部列車の運転を取りやめる形で応じていた。
JR東であれば、山手線など11線区の計42本(土休日は計40本)を対象に、最大30分程度終電時刻を早めている。東京メトロでは、平日は全路線で、土曜・休日は一部の路線・区間で終電時刻を10〜20分繰り上げた。
このほど、新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、10都府県で緊急事態宣言が3月7日まで延長された。それに伴い、鉄道各社は一部列車運転取りやめの実施期間をダイヤ改正の前日である3月12日までと決めた。
各社の春のダイヤ改正では、利用者の生活様式の変化による深夜時間帯の利用減少、深夜の作業時間の確保を理由に、終電時刻の繰り上げや始発時刻の繰り下げを実施する。ダイヤ改正によって変更となる終電時刻は、1月20日〜3月12日の終電時刻とは異なるが、実質的には終電繰り上げを当初の予定よりも前倒しする形となった。
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