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時短せず「ノーマスク」で接客する店も 「ナメんじゃねーよ!!」と怒る“反逆飲食店”の言い分長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)

緊急事態宣言を受け、時短や休業要請がされている。しかし、通常営業を続ける“反逆飲食店”も存在する。支援金などの制度を実情に沿った形に改善すべきだと筆者は主張する。

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午後8時以降も満席

 東京都を中心に、イタリアン「ラ・ボエム」、アジアン「モンスーンカフェ」、和食「権八」などの飲食店を41店を展開するグローバルダイニングでは、商業施設に入っている一部店舗などを除いて、通常営業を続けてきた。

 同社の店舗は100席近く、あるいはそれ以上の規模を持つ大型店が多い。1店舗当たり1日6万円の時短協力金をもらっても焼け石に水。


グローバルダイニング「カフェ・ラ・ボエム麻布十番」(出所:リリース)

 しかし、改正特措法の施行によってトーンダウン。具体的に時短の要請が来た場合には、従う意向である。罰則が適用される以上、従わざるを得ないということか。

 ただ、2月21日時点では時短を行う告知も出ておらず、通常営業を続けている模様だ。


グローバルダイニング「モンスーンカフェ代官山」(出所:リリース)

 同社の1月における国内既存店売上高は、前年同月比83.9%。20年3月以降では最も良かった。特に、ラ・ボエムは109.5%と絶好調で、「午後8時以降も満席」と報じられた通りの結果となった。一方、モンスーンカフェと権八は、意外にも前年同月比で7割程度にとどまった。アフター・コロナで戦える業態とそうでない業態が見えてきた感がある。

時短要請に応じないとどうなるのか

 東京都と神奈川県に確認したところ、同法45条第2項・第3項により、時短などの要請に応じない業者に対して、直ちに過料が科せられるわけではないという。まず、要請に応じない店舗を発見すると、都道府県が文書での通知、立入検査などのやりとりを行う。要請に応じられない正当な理由がない場合には、時短などの命令となる。命令に従わない場合、不当な材料をそろえて、地方裁判所に訴える。そして、裁判官の判断で過料を科すかどうかが決まる。

 このような手続を踏むので、実際に罰金に至るハードルは高いと思われる。

 改正特措法では、緊急事態宣言の前段階として「重点措置」が新設された。重点措置で命令に応じない場合は、20万円以下の罰金となる(緊急事態より上限が10万円安い)。また、立入検査を拒否した場合は、緊急事態宣言、重点措置を問わず、20万円以下の過料が科される。

 従って今後、新型コロナの第4波が来た場合、まず重点措置が発令されることになる。

 都道府県もいきなり罰金をとったり、店名・社名を公表しない。“反逆飲食店”に対しては、要請に従えない理由を説明する機会が与えられるので、その場で窮状を述べて交渉する余地がある。

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