時短せず「ノーマスク」で接客する店も 「ナメんじゃねーよ!!」と怒る“反逆飲食店”の言い分:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
緊急事態宣言を受け、時短や休業要請がされている。しかし、通常営業を続ける“反逆飲食店”も存在する。支援金などの制度を実情に沿った形に改善すべきだと筆者は主張する。
24時間営業を継続中
中部圏や首都圏に店舗が多く、鶏皮串の「伝串」が名物の大衆居酒屋「新時代」の新橋店は24時間営業を継続中。基本、新時代チェーンは午後8時以降も営業しており、“反逆”を貫いている。
首都圏を中心に展開する鳥料理居酒屋チェーン「とりいちず」は、基本的に緊急事態中は午後8時までの時短営業をしているが、東京・立川など5店は時短していない。2月8日から池袋など7店も加わり、一部で時短せずに“反逆”の営業を行っている。
午後8時以降、営業している飲食店がほとんどないので、時短要請を無視して営業を続けている店が非常ににぎわっているのが現状だ。我慢できずに飲んでしまう人ばかりでなく、夜遅くまで働いた結果「夕食難民」になってしまっている人も一定数おり、“反逆飲食店”になだれ込んでいる。
これでは、マジメに時短していたために、経営が苦しくなったお店がキレるのも無理はない。
1人で食べに行く人が大半で、皆が“黙食”している牛丼、天丼、かつ丼、ラーメン、セルフうどん・そば、カレーのような業態にまで時短要請してしまっているから、夕食難民が発生する。
政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」では、5人以上で会食すれば、声が大きくなり、飛沫の飛び具合が大きくなって感染リスクが高まるため、4人以下の飲食を勧めていた。ならば、飲食店の入場制限を行い、5人以上のグループを入れないようにすれば、それで済んだ話ではないだろうか。
ノーマスク営業は勧められない
一般論として、ノーマスク営業は勧められない。
日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合連合会が作成した、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)に基づく 外食業事業継続のためのガイドライン」(2020年11月30日改正)には「全店舗入口及び店内に、食事中以外はマスクの着用をお願いする旨を掲示する」「カウンターでは、お客様と従業員の会話を想定し、従業員のマスク着用のほか、仕切りの設置などを工夫する」とある。
また、同ガイドラインは「従業員の安全衛生管理」として、「店舗では大声を避け、マスクやフェイスガードを適切に着用し、頻繁かつ適切な手洗いを徹底する」「食品残渣、鼻水、唾液などが付いた可能性のあるごみ等の処理は手袋・マスクを着用してビニール袋等に密閉して縛り、マスクや手袋を着用して回収する。マスクや手袋を脱いだ後は、必ず手を洗う」などとしている。
このように、顧客の安全にマスク、従業員の安全にマスク、店舗の衛生管理にもマスクを求めている。「まるでマスク警察のような息苦しさだ」「そんな業界団体にウチは所属していない」という反発の声も聞こえてきそうだ。しかし、こういったガイドラインを守らないと、国や行政が実施する「GO TO イート」のような支援策は、受けにくくなる。まず、無理だ。世間の理解も得にくい。
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