特集
開店1カ月目で黒字達成 「24時間無人」の古着店 店員不在でも支持されるワケ:ムジンノフクヤ(2/4 ページ)
東京都中野区にちょっと変わった古着店がある。24時間営業で店員がいない店、その名も「ムジンノフクヤ」
深夜には「コインランドリー待ち」のお客も
しかし、実店舗を出店するには少なからず管理費がかかる。これまで行っていたネット販売をさらに強化するということは考えなかったのだろうか。その点について平野氏は「他店との差別化」を理由にあげる。
「今、ネット販売は主流となり、多くの店舗が導入している。ネット上で他社との差別化を図るには、必要以上に価格を下げる必要が出てきてしまう。価格競争から抜けたところで勝負がしたいと思った」(平野氏)。無人販売にすることで人件費などを抑えられ、必要以上の経費をかけずに商品を売ることができると判断した。
また、実際に試着したり質感を見たりできる点もネットでの販売にはない魅力の1つだ。ネットになじみがない年代にも商品を届けることができる。
立地にもこだわった。同店は西武新宿線野方駅から徒歩3分程と駅から近いうえ、多くの人で賑わう商店街に位置している。また、店舗の隣には24時間営業のコインランドリーがある。平野氏によると緊急事態宣言前は、飲食店からの帰りに立ち寄ったり、コインランドリーで洗濯を待っている間に訪れたりする人も多かったという。
こういったメリットがある一方で、気になるのは防犯だ。24時間開いていながら店員がいないとなれば、商品が盗まれるリスクが高まるのではないか。この点もムジンノフクヤでは、シンプルな方法で対策を行っている。
関連記事
- 空き店舗が目立つ”裏原宿”で「古着屋さん」が増加? 若者の間でブームが起こるワケ
今、若者達の間で「古着」が再注目されている。民間調査会社の調べによれば2019年度の国内ファッションリユースの市場規模は、前年比16.1%増の7200億円まで成長しているそうだ。 - 4月から「税込表示」が義務化 ”税別”のユニクロは実質値下げ? アパレルが逃れられない呪縛
4月1日より税込み価格表示が義務化される。特に商品の安さを武器に戦う企業にとっては重要な意味合いを持つ。対応として次の2つのケースで分かれることになる。本体価格+税表記で訴求している企業と、すでに税込み表記で訴求している企業。代表的な例をあげるならば前者がユニクロで後者がワークマンといったところだろうか。 - AOKIの”4800円”スーツが好調 「パジャマスーツ」は世界各国から注文が
紳士服大手のAOKIが発表した、立体製法とオリジナル素材を採用した「アクティブワークスーツ」の予約状況が好調だ。 - ワークマン 「推進力を生む」1900円のジョギングシューズ発売 「柔らかすぎ」の課題も解決
ワークマンが、アウトドア・スポーツ用シューズ「ハイバウンス ドリブンソール」を発売した。昨年発売し人気となった「アスレシューズ ハイバウンス」の機能性をさらに強化し、初年度で50万足を生産する。 - 月額280円で駅の傘「使い放題」なのに返却率は99% 設置場所が増えている「アイカサ」の正体
日本で年間に消費される傘のうち約6割にあたる約8000万本がビニール傘だとも言われている。気軽に購入できる分、紛失したり壊れたりしても、特に気にしない人も多いのではないか。そこに商機を見いだした企業が注目を集めている。Nature Innovation Group(東京都渋谷区)が運営する、傘のシェアリングサービス「アイカサ」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.