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ビットコインのファンダメンタルズとは何か? ARKレポートから読み解く(4/4 ページ)

この1年で540%もの価格上昇を見せたビットコイン。米国企業や機関投資家が買っているともいわれ、新たな資産として見られることも増えてきた。しかし、ビットコインについてまわるのが「本質的な価値がない」という言葉だ。では、ビットコインのファンダメンタルズとは何だろうか?

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企業のビットコイン買いの影響

 このようにいくつかのデータから、20年のビットコイン価格上昇は、個人ではなく企業や機関投資家による買い入れがもたらした可能性が高い。米マイクロストラテジーは2月8日時点で7万1079BTC(3553億円相当)を保有しており、さらに社債発行などで9億ドル(約954億円)を費やしてビットコインを買い増す計画だ(記事参照)。テスラやスクエアもビットコインを購入している。いずれも、米ドルのインフレ懸念への対応策として、ドルをビットコインに移し替えたと発表している。

 では上場企業が同じように余剰資金でビットコインを購入したら、どのような影響があるだろうか。


米S&P500企業が、余剰資金の一部でビットコインを購入した場合の価格へのインパクト(アーク)

 「0.1%なら無視できるが、1%くらいの余剰資金が回ると、ビットコイン価格上昇のインパクトは4万ドルくらい。10%なら40万ドルになる」(千葉氏)。米国企業の中には潤沢なドルを貯め込んでいる企業も多く、インフレを懸念してその一部がビットコインに回っただけで、これだけの影響があるということだ。

 一方で、企業が大量のビットコインを保有することの問題もある。以前からビットコインのETF(上場投資信託)は何度も申請され、却下されてきた。ところがマイクロストラテジーのように大量のビットコインを保有する企業が現れたことで、「そうした企業は実質的にビットコインETFのような存在になりつつある」(千葉氏)。

 マイクロストラテジーの時価総額は約7620億円。一方で保有するビットコインの時価は3500億円を超えており、バランスシート上では7割をビットコインが占めるに至っている。マイクロストラテジーの株を持つことは、実質的にビットコインを保有することに近く、株価もビットコイン価格との連動を強めている。

 「ビットコインは、個人のおもちゃだと思われていたが、法人が取り組み始めている。保険会社が、分散投資の一環としてビットコインを買い始めている。新しい資産クラスとして注目に値するのではないか」(千葉氏)

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