コロナ禍で転職に「積極的」な人が急増 企業に求めるものは”給与アップ”が後退:アスタミューゼ調べ
専門人材のマッチングなどを手掛けるアスタミューゼは、転職希望者を対象にしたアンケート結果を公表した。
転職支援サービスなどを手掛けるアスタミューゼ(東京都千代田区)は3月5日、同社が運営する「アスタミューゼ転職ナビ」で転職希望者を対象に実施したアンケート結果を公表。コロナ禍前にはほどんど変動がなかった「転職意欲」の割合で、「積極的に探している」と答えた人が急増していることが分かった。
「転職意欲」について尋ねたところ「既に転職する意思が固まり、積極的に探している」が73%で最も多くなった。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年8月、感染が広がり始めた20年2月、20年8月時はいずれも50%前後と変化が見られなかったものの、21年2月の調査では急増する結果となった。
「転職や退職を考えた理由」について尋ねた。その結果「自分のキャリアプランと違う仕事に配属された」が28%で最も多くなった。次いで「経営の方向性が見えない」(27%)、「やりがいを感じられない」(26%)と続いた。過去3回の調査では「やりがいを感じない」「給与が上がらない」が1位、2位を占めていたが、今回の調査では順位が変動する結果となった。
同社は「コロナ禍での1年を経て、組織改編や人員整理、事業の見直しが本格化し、希望しない業務やポジションになる人員が急増しているのでは」と分析。その結果が転職意欲にも反映しているのではと指摘する。
転職先に求めるものでは、「社会貢献性」が52%で最多。次いで「給与の向上」(45%)、「経営ビジョンと事業の連動」(37%)と続いた。過去3回の調査ではいずれも「給与の向上」が1位であったが、今回の調査で初めて「社会貢献性」が逆転する結果となった。
コロナ禍で生活様式や社会の在り方が大きく変化しつつある。同社は「その動きにどう関わっていくかを主体的に考える転職者が増えた」と指摘する。採用を強化したい企業は、求人票や企業案内を見直し、自社の社会課題への取り組みや事業ビジョン、提供できるキャリア設計についてのアピールを強めることで、優秀な人材を獲得できるチャンスになるとコメントしている。
調査は、「アスタミューゼ転職ナビ」登録者を対象に実施した。コロナ禍前後の比較を見るため、19年8月1〜31日、20年2月1〜29日、20年8月1〜31日、21年2月1〜28日の調査結果を抽出。有効回答数は2202件であった。
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