利用者の8割は毎月1万円を課金 キャラクターグッズの“福袋”サブスクが成長している理由:継続率も高い(2/3 ページ)
2019年に誕生したサブスク型のグッズ提供サービスがある。好きなコンテンツやアーティストの完全オリジナルグッズが毎月届く。利用者の8割が1万円超のコースを選択している。
日常的に使えるグッズが多い
ユーザーに届けるグッズはさまざまだ。ウイルス対策でマスクを持ち歩く人が増えたことを受けて、マスクケースを開発した。また、気温が低下してくるとひも付きのブランケットを用意する。ミトンやセロハンテープなどもある。このように、日々使うことで「ユーザーの生活が彩られるようなもの」(五十嵐社長)を意識的に多くしている。
ユーザーに提供するグッズの企画は基本的にSmarpriseが行い、版権元が監修する。版権元から「こういうグッズはどうだろうか」と提案されることもある。
社内には版権元の対応を行うプランナーチームと、メーカーと取引を行うバイヤーチームがいる。五十嵐社長はもともと版権元やグッズメーカーとの付き合いがあったわけではないが、サービス提供を機に必要なノウハウを蓄積してきたという。
どんなユーザーが多いのか
五十嵐社長によると、ユーザーの6割が男性で、4割が女性だという。コンテンツによっては、女性が9割のこともある。利用者の中心は25〜34歳だ。年齢層が比較的若いのは取り扱っているコンテンツが大きく影響している。8割以上のユーザーが1万500円のコースを選択しており、サービスの継続率は平均して約9割だという。
なぜ、同社はこのようなサービスを始めたのか。きっかけは、18年11月にバーチャルタレント「富士葵」のクリスマス限定グッズ「葵のメリクリ♪プレゼントBOX2018」を販売したことだ。ユーザーに何が届くかは事前に告知しない“福袋”形式の企画で、価格は1万円と高額だったが、当初見込んでいた3倍の売り上げがあった。
この成功を踏まえ、五十嵐社長は「単にモノを買うのではなく、(何が届くか分からない)体験にユーザーが価値を見いだしているのではないか」と考えた。
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