スシローとくら寿司が東京で激突! はま寿司とかっぱ寿司は“脱回転” 業界の行方は?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍で回転寿司業界に大きな変化が起きている。スシローとくら寿司は、都心部に進出する。はま寿司とかっぱ寿司は、回転レーン上に寿司を流さない傾向を強めている。
はま寿司は回転しない寿司の実験
はま寿司は非上場だが、親会社「ゼンショーホールディングス」の21年3月期第3四半期決算におけるファストフードカテゴリー(大部分をはま寿司の売り上げが占めると推定される)は、1030億8700万円(前年同期比9.8%減)だ。前年より1割程度売り上げが減っているくらいなら、コロナ禍でも健闘していると言える。
店舗に大きな変化が起きている。昨秋頃から、案内係の“社員”として、はま寿司の店服を着て愛想をふりまいてきた「ペッパー」が姿を消している。代わりに、スタイリシュなデザインの受付機が設置されている。
同社・広報によれば「ペッパー君は子どもたちに人気で喜ばれていたが、もっと機能を拡張したいと考えると、限界があった」とのこと。
新しい受付機に、具体的にどのような機能を付加していくかは、現在検討中である。
また、同社では3年ほど前から、2段の注文専門レーンのみという、回転しない寿司の形態を実験している。
これは、元気寿司が展開する「魚べい」「元気寿司」が行っているシステムだ。
はま寿司では、回転レーンによる廃棄ロスを懸念。また、鮮度の高い握りたての寿司を顧客に提供するには、タッチパネルで注文した商品を席に直送したほうがよいと考えている。こうした施策で、満足度を高める狙いがある。
同社では、回転レーンに寿司を流さず、注文品のみを流すことで、より飛沫が掛かりにくい方式に切り替えている。コロナ対策としては、専用レーン方式のほうが合理的だ。
商品の改革では、外食最大手の購買力を発揮。20年11月に、価格は100円(平日90円)に据え置きのまま、マクロのネタを20%、サーモンのネタを25%それぞれ増量した。
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