コラム
なぜ、ノートンは3Mに“逆転”を許したのか 組織を変革できない企業の末路:アジャイル型(4/4 ページ)
VUCA(予測ができない)の時代、組織体制を変えられない企業はどうなってしまうのでしょうか。なぜ今、アジャイル型組織(変化に対応しながら、製品を開発できる組織)へと生まれ変わる必要があるのでしょうか。
チームの自己組織化とは、チームが最適な方法を自ら判断し行動している状態を言います。チーム自ら課題を発見し、対応策を考え実行し、結果から学習できる状態です。アジャイル型組織で、チームの自己組織化に重要と考えられるのは下記の5点です。
- 開発において一通りの機能が果たせ、なるべく最小の人員構成であること
- 自制力のあるチームメンバーで構成されていること
- チーム内での相互の強い信頼関係が築けていること
- チームに権限委譲されており、チームで意思決定ができること
- 一定の失敗を許容しながらも結果にコミットできるチームであること
しかし、現在の日本では、Webサービス企業を除いては、システム開発領域でもいまだにトップダウンの中央集権型組織が中心です。あらゆる業界でIT化が進み、変化が激しく不確実性の高い環境となると、持続的な発展は厳しいでしょう。長期で計画をかっちりと立て、無駄を省き、計画通りに物事を進めても、市場の変化によりゴール自体が変わってしまえば全てが水の泡になってしまいます。特にトップダウンで中央集権型の企業は、例に挙げた過去の企業の顛末(てんまつ)をよく参考にすべきでしょう。
失敗を織り込みながら、小さく素早く試し、変化を敏感にキャッチしアジャストできる組織を内部に構築していくことが、今の時代を生き残っていくためには重要といえるでしょう。
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