超一等地の商業ビルがガラ空き! 銀座、渋谷、新宿、秋葉原でじわじわ進む経済の“破壊”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍の影響で商業ビルの空き物件が増えている。実際、どんな状況になっているのか。現場に足を運んでみると……。
秋葉原も大きく苦戦
秋葉原でも、電気街においてPCやコミック専門店、ドラッグストア、飲食店の閉店が相次いでいる。
秋葉原は広域から集客する街だった。土曜日、地方から高速バスを使って秋葉原に入り、アイドル、同人誌のイベントやショップ、メイド喫茶などを堪能。ネットカフェ、知人宅などで1泊して日曜の夜に帰っていく、熱心な“ファン”に支えられていた。さらに、コロナ前は、日本のサブカルチャーが好きなインバウンドが加わっていた感じだった。
ところが、コロナ禍でステイホームとなり、地方からも海外からも顧客が来ないのでは苦しい。
衝撃だったのは、駅電気街口からも近く中央通り沿いにあるゲームセンター「アドアーズ」のビル1棟が丸ごと閉店してしまったことだ。首都圏中心に35店ほどあるチェーン店の本店という位置付けだった。
隣の2号館は今も営業しているが、超1等地で隆盛を誇った、赤と白の縞模様でひと際目立っていたビルが、20年11月に空き店舗となった。1、2階がゲームセンターで、3階以上がカラオケ店といった構成であった。
渋谷もテナントの空きが目立つ
渋谷も駅にごく近い、センター街のビルで空き店舗が増えている。1月19日に「無添くら寿司」の渋谷駅前店がオープンした「グルメタウン」は、コロナ禍で撤退した後に埋まらない空き店舗が多い。まだ3つほどテナントの空きがある(3月20日時点)。
また、丸井の「渋谷モディ」2階は、コロナの前から空き店舗が目立っていたが、全店が撤退して、改装中となっている。前出のように丸井の店舗は撤退が相次いているが、営業している店でも、ファッションの不振で集客に苦慮するテナントが少なくない。
駅の目の前や目抜き通りにあり、誰の眼にも好立地と分かる店舗ですら、自粛が続けば売り上げが減少する。そして、営業を諦めざるを得ない状況に陥っている。
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