平均給与、管理職になった年齢、残業時間ランキングを“見える化”する企業――デメリットはないのか?(1/3 ページ)
自社の年齢別平均給与、管理職になった平均年齢、部署ごとの残業時間のランキングなどを見える化している企業、タカミヤに話を聞いた。社内各所に設置されたサイネージや、社員が持つPCのスクリーンセーバーでこれらの情報を共有しているという。なぜ、このような取り組みをしているのか。また、デメリットはないのか。
自社の年齢別平均給与、管理職になった平均年齢、部署ごとの残業時間のランキングなどを社員が把握している企業は多くない。なんとなく予想がつくものの、数値は開示をしていない、経営陣や人事も正式には知らないという場合が多いのではないか。
そのような中、工事現場の「足場」の開発から製造・レンタル・施工まで行うタカミヤの社員はこれらをすぐに知れるという。このような情報を社内各所に設置されたサイネージと、社員が持つPCのスクリーンセーバーに表示しているからだ。
2014年8月の大阪本社移転をきっかけに、「自分の状況を可視化し、自分で考えて動く仕組みづくり」として始めたというサイネージでの情報公開を、どのように生かしているのか。また、さまざまな情報をオープンにすることによるデメリットはないのだろうか。担当の小園啓介氏(タカミヤ 経営管理本部 総務部 人事企画課)に伺った。
抵抗感はなかった? 年齢別平均給与や残業時間ランキングの公開
サイネージは、正面玄関の待合ブースと役員室、来客スペースに設置されている。また、社員が持つPCのスクリーンセーバーに情報が表示されるように設定されている。PCを使っていない昼休みなどにスクリーンセーバーを眺めて、気付きを得てもらうためだ。これにより、外出やリモートワークが多い立場の社員にも情報が行き届く。
サイネージに年齢別平均給与、管理職になった平均年齢、部署ごとの残業時間のランキングなど、受け取る人によってはシビアともとれる情報が表示されるが、導入から今に至るまで、社内での抵抗はなかったのだろうか。
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