インサイドセールスは「コール数をKPIにするな!」 疲弊や不正を招かない目標設定とは:ヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス(4)(3/3 ページ)
インサイドセールスの組織では、「1日何件コールしているか」をKPIとして設定している場合が多いです。しかし、この目標設定は現場を疲弊させてしまう恐れがあります。どうしたらいいのでしょうか。
まずインサイドセールス組織の立ち上げ初期であれば、商談の数に注力することが大事です。なぜなら、まだ商談結果の検証ができていない状態で質に絞ってしまうと、本当はサービスの提供ができた顧客との商談機会を失ってしまうことがあるからです。商談の数が少なすぎると、どのような顧客であれば自社サービスが役に立てるのかという検証すらできなくなる可能性もあります。
「成約は難しい」と考えていた商談が実ることもあります。フィールドセールス担当者のスキル向上のため、多少難易度が高い商談でも、実践の場として有効だという場合もあります。立ち上げ期は検証のためにも、「量」に振り切ることをおすすめします。
もちろんその場合、フィールドセールスへ依頼する商談の中に成約の可能性が著しく低いものが含まれることになるので、どのような意図で「量」に振り切るのか、フィールドセールス側と認識を合わせておきましょう。
また、フィールドセールスの状況に合わせることも重要です。フィールドセールスは、商談数が足りないときは、成約の可能性が低い商談であっても設定してほしいと考えますし、逆に大きな商談を複数抱えていて忙しい時期などは、成約確度の高い商談のみを設定してほしいと考えます。
自社の状況に合わせて商談数を調整することも、インサイドセールスの大切な業務の一つです。そのためにも、フィールドセールスが今どういう状況なのかは、日々コミュニケーションを取り把握しておきましょう。
「売上を上げる」という共通の目標を見据えたKPI設計
商談結果の検証がある程度できてきたら、徐々に「量」から「質」への転換を図りましょう。この際のインサイドセールスのKPIは、フィールドセールスと同様に「成約数」「成約金額」を意識した数値を設定します。
そこまでをインサイドセールスが意識するのは難しいと感じるかもしれません。しかし、この段階までたどり着くことができたインサイドセールス組織であれば、担当者のスキルも上がっているはずです。今までの商談の検証結果から、成約につながりやすい業界、部署、役職、リード獲得に至った経緯などを踏まえて、設定した成約件数や成約金額を達成するための行動を計画します。
現在、当社のインサイドセールスもまさにこの段階にあり、さまざまな施策を行っています。何が有効だったか、どのような失敗をしたかなどの実体験は、この連載の今後の記事に書く予定です。
それでは、今回はここまでになります。最後まで読んでいただきありがとうございました。花粉症の方はとてもつらい季節ですが(私もです)、お互い頑張りましょう! また次回の記事を楽しみにしていてください。
著者プロフィール・堤貴宏(つつみたかひろ)
ホットリンク マーケティング本部インサイドセールス部。
高校卒業後、世界的に活躍するギタリストMIYAVIに弟子入りし修業した後、 自身もミュージシャンとして活動。赤坂BLITZや恵比寿リキッドルームでのワンマンライブを成功させた実績を持つヴィジュアル系バンド「シリアル⇔NUMBER」に在籍。カラオケDAMやJOYSOUNDに約50曲の収録もされている。
引退後ビジネス界へ転身し、ヴィジュアル系インサイドセールスの活動を開始。Voicyラジオパーソナリティーや、各種ビジネスイベントへの登壇実績も多数。虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された国内最大規模のインサイドセールスカンファレンス「Inside Sales Conference 2019 winter」への登壇や、タワーレコードが主催した「TOWER ACADEMY〜ファンを増やすためのSNS戦略講座〜」にて講師も務めた。
Twitter:@hotto_mihiro
Voicy:聴け、ビジュアル系の叫び
ソロ楽曲:インサイドセールス・ラプソディ/NEWWORLD/インサイドセールス・レボリューション
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