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コロナ禍でもボーナス支給 “伊豆の名店”に押し上げた「おか田」2代目店主の手腕「年に2回の小言の時間」(4/5 ページ)

静岡県南伊豆町にある飲食店「伊豆の味 おか田」。1985年創業の郷土割烹料理屋で、近海で取れたキンメダイを出す店として多くの観光客を受け入れている。2代目店主の岡田正司さんはお土産品の商品開発なども手掛け、時流の変化に果敢に対応しようとしている。どのようにして「おか田」を地元の名店に押し上げ、コロナ禍を乗り切っているのか。岡田さんが取材に応じ、その経営手法について語った。

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「年に2回の小言の時間」

――従業員を注意することはありますか?

 基本的にはあまり無いですね。例えば先ほどの何かを拭いている「フリ」をして休むというのがあったとしても、「ちゃんとやってよ」って言うぐらいですね。ただ、個々の従業員にそれぞれ要求したいことは持っています。

 これは僕が社長になってから始めたことなんですけど、ボーナスを従業員に渡す際に、一人ずつ渡すのですが、その場を面談の機会にしているんです。ボーナスは年2回渡しているので、年に2回従業員一人一人との対話の場を設けていますね。

――今年度はコロナ禍で経営も大変だったと思いますが、それでも続けているのでしょうか。

 続けています。これを「年に2回の小言の時間」と呼んでいます(笑)。もちろん、一方的に僕が話すのではなく、従業員のほうからも要望や改善点などを聞く機会にしています。この「小言の時間」を僕はすごく大事にしていますので、どんなに経営が苦しくてもボーナスは必ず出すようにしています。

――「小言の時間」ではどういったことを話すのでしょうか。

 従業員間の人間関係とかですかね。「ちょっと言い方がキツいよ」とか。例えば、上の役職の従業員に対してだったら、部下に対してこういうふうに言葉の使い方を勉強したほうがいいというような内容です。みんなを集めて全員に言う方法もあるとは思うのですが、それだとどうしても自分には言われていないと思ってしまいます。個人で言ったほうが響くんですよ。

――今で言う1on1みたいなやつですね。全体で話し合う場などはあるんでしょうか。 

 うちには朝礼も終礼もありません。みんな来た順番から仕事をしていきます。年に1回、元旦に年始のあいさつをするくらいですね。毎回そんなに話すこともないので、やってないんです。ただ、お昼ご飯はみんなでまかないを一緒にいただきますので、何かあったらその時に話すような感じですね。


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