2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

コロナ禍でもボーナス支給 “伊豆の名店”に押し上げた「おか田」2代目店主の手腕「年に2回の小言の時間」(5/5 ページ)

静岡県南伊豆町にある飲食店「伊豆の味 おか田」。1985年創業の郷土割烹料理屋で、近海で取れたキンメダイを出す店として多くの観光客を受け入れている。2代目店主の岡田正司さんはお土産品の商品開発なども手掛け、時流の変化に果敢に対応しようとしている。どのようにして「おか田」を地元の名店に押し上げ、コロナ禍を乗り切っているのか。岡田さんが取材に応じ、その経営手法について語った。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

岡田さんが考える「客商売の醍醐味」

――何が客商売の醍醐味だと感じますか。

 お客さんと話していて、褒めてくれるととてもやりがいを感じます。僕もお客さんを楽しませたいから、20年位前にこれまで地元では出していなかったタカアシガニ料理を出すようにしました。タカアシガニは伊豆近海で取れる世界最大のカニで、見栄えがすごいんですね。お客さんの反応も上々で、ストーリーを考えるのも面白いです。

――ストーリーですか?

 料理に遊びを入れていくんです。定食のように最初からご飯とおみそ汁があって、とやると、ストーリーを作りにくいんです。そこでどうするかというと、お茶をいれるついでにお客さんに、これから出てくる料理の話をします。またお客さんの食べている状況を見ながら料理を出す順番なども考えています。出した料理についても「ここも食べられるんだよ」となるべく会話するのも大事にしています。

 もちろんこうした取り組みは、地元の名産のキンメダイや伊勢エビを出すときからずっとやってきたのですが、タカアシガニはストーリーを立てやすいんです。お客さんと話が盛り上がって、喜んでくださいます。


タカアシガニの甲羅。お客とのコミュニケーションのツールにしている

――お客さんを楽しませる。このエンターテインメントがおか田の魅力であり強みと言えそうですね。

 お客さんが喜んでくれると、新規で来られた個人の方はそのままリピーターになるかもしれませんし、ツアーで来てくださったお客さんも、次は家族や友達と来ようとなるかもしれません。ツアーの場合は、旅行会社も満足してくださいますから、「次のツアーもここにしよう」となってくれます。そこからさらに評判も広がっているようで、取引のなかったツアー会社からも打診をいただくこともあります。とてもありがたい話ですね。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る