「オフィスの混雑状況は?」「同僚の居場所が分からない」「空気が悪い」──オフィスを“見える化”する手順:総務のための「オフィス」再考(1/2 ページ)
昔は「測りたくても測れなかった」オフィス。しかし技術の進歩で、オフィス内のいろいろなものを可視化できるようになりました。では、何を、どのように図るべきでしょうか。
連載:総務のための「オフィス」再考
前回までの記事では、コロナ対策としてのオフィスレイアウトの変更方法、換気の基礎知識、Web会議用ブース、リモート管理ツールの選び方などをお話しました。今回のテーマは「オフィスの見える化」です。
オフィスファシリティをやりくり(マネージ)する専門分野には、ファシリティマネジメントというものがあります。マネジメント=管理と訳さず、やりくりと訳したのには意図があります。管理というと規則に沿った静的なものをイメージしますが、やりくりというと、ニーズが激しく変化する状況に対応していくイメージです。
“You can NOT manage what you don't measure.”すなわち「測らないものはマネージ(やりくり)できない」という言葉が、ファシリティマネジメントの教科書では出てきます。当たり前のように聞こえますが、意味が深い言葉です。
一昔前は“You can NOT manage what you can't measure.”(測れないものはマネージ(やりくり)できない)という言葉でした。このdon'tとcan'tの違いが、時代の差を意味します。
昔は「測りたくても測れない(can't)」だったので「オフィス内のいろいろなものを可視化しようとしてもできない」という諦めの気持ちがありました。現在はテクノロジーの進歩により、さまざまなものを測れるようになっており、「測ろうとしない(don't)」とマネージできないという意味になっています。測る、測らないは総務の姿勢次第、ということです。
それでは、オフィスではどんなものを測れるのでしょうか。測るという行為は目的ではなくあくまで手段です。「測れる技術があるから測る」では手段が先行してしまい、「何だか面白そうだから試してみたけど、利用価値が全くなかった」というケースも少なくありませんので要注意です。
まずは(1)何が問題か、(2)何を知りたいか、変えたいか、そのために(3)どう測りたいか──というステップで整理し、経営に進言します。「何を知りたいか」は、管理者の目線と社員(ユーザー)の目線では異なります。これらを整理した(3)の段階で、業者へ「このようなものを測りたい」と要望を出し、ソリューションを一緒に考えるのが“攻める総務”です。
具体的にどんな問題があるか、どんなツールを使えばいいのか、見ていきましょう。
オフィスの見える化の例
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