DNPが「バーチャルジュンク堂」を展開 アバターで新しい本と出合う:池袋ミラーワールド
DNPがバーチャルジュンク堂書店池袋本店を展開する。イベントの開催や書籍拡販モデル構築を行うという。
大日本印刷(DNP)は3月26日、同社グループのジュンク堂書店池袋本店(東京都豊島区)をバーチャル化し、テレビ東京が運営するバーチャル空間「池袋ミラーワールド」で展開すると発表した。DNPでは「バーチャル書店」の事業化に取り組む考えで、ハイブリッド型総合書店の「honto」やリアル店舗と連動した書籍拡販モデルの構築などを進める。
池袋ミラーワールドは、テレビ東京などが3月27日から展開するバーチャル空間のこと。DNPのほかに東武鉄道やサンシャインシティ、西武池袋本店などが参画し、アニメやゲームなど、池袋の文化や強みを生かしたコミュニティーとして、バーチャルとリアルが融合した新たな文化圏や経済圏の構築を目指す。
池袋ミラーワールド内で展開するバーチャルジュンク堂書店池袋本店では、空間内に陳列する書籍をクリックすることでhontoに誘導し、実際に購入できるようにした。同社はバーチャル書店内で新しい本との出会いやコミュニティの提供を目指すとしていて、リアル空間と連動したイベントの開催や、書店員や著名人などが薦める書籍を紹介する「ブックツリー」や「AI書店員」など、ビジュアル化した検索機能を通じて偶発的なコンテンツとの出会いを楽しめる機能なども開発する予定だとしている。
DNPではこれまで培ってきた表現技術や情報処理能力を生かし、3月23日に「XRコミュニケーション事業」を開始すると発表。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの技術を活用し、地域創生につなげる「地域共創型XRまちづくりPARALLEL CITY(パラレルシティー)」の推進を目指している。同事業の第1弾として、4月末には「北海道札幌市北3条広場(アカプラ)」、5月末には「東京都渋谷区立宮下公園」をバーチャル空間上に立ちあげる計画で、今後は空間と連動したイベントの開催なども想定している。
同社広報担当者は「池袋ミラーワールド」への参画もその1つだと説明する。今回の実証で得た実績をもとにバーチャル書店の展開を進める方針。XRコミュニケーション事業として25年度までに関連事業も含めて100億円の売り上げを目指す。
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