コロナ禍で増えている「オフィスの引越し」、その段取りとチェックリスト:トラブルを防ぐ(3/4 ページ)
テレワークなどにより社員の出勤が減り、オフィスの引越しが増えています。オフィスの引越しは一大プロジェクトであり、入念な準備と効率的なオペレーションを必要とします。スムーズにオフィスの引越しを成功させる段取りとチェックリストを紹介します。
【1】解約予告時期を確認し解約通知をする
オフィスを退去する際、オーナーやビル管理会社への解約通知は、退去6カ月前までを提出期限としているケースが多いです。
解約を検討し始めた段階で、「預託金」の返還時期もあわせて確認しておきましょう。預託金とは、オフィスの借主が貸主に対して、賃料等の債務に対する担保として、あらかじめ預託する保証金や敷金、委託金などの総称です。
また、契約書の「解約条項」によっては、契約期間内に解約すると違約金が発生する特約がある場合もあるので注意します。
移転予算にも大きく関わる部分なので、事前に現在の契約内容をしっかり把握しておくことをおすすめします。
【2】オフィス原状回復の条件と費用を確認する
賃貸オフィスの場合、退去時には原則として内装を入居時の状態に戻さなくてはなりません。
また、物件によっては、原状回復工事について貸主の指定業者に依頼しなくてはならないケースも存在します。
「どこまで原状回復する必要があるか」「業者の選択は可能か」等については、事前に貸主や管理会社と打ち合わせを行い、早めに見積もりを取っておくと安心でしょう。
【3】物件選定・契約時のチェックポイント
条件を確認し、候補物件を絞り込んだら、不動産業者と交渉します。物件によっては初めの数カ月の賃料をフリーレントとしてサービスしてくれる場合もあります。
現オフィスの原状回復期間として、1カ月程度をフリーレントにできると賃料の二重払い期間をなくせますので、交渉できそうであれば、相談してみましょう。
また、オーナーとの契約前に、工事区分や消防設備工事の有無は必ず確認しましょう。
工事区分には、オーナーの負担でオーナーの指定した業者が工事を行う「A工事」、テナントの費用負担でオーナーの指定した業者が施工する「B工事」、テナントの費用負担でテナント側の業者が施工する「C工事」という3つの区分が存在します。
賃貸オフィスとして借りる室内スペースは、テナント側で自由に工事できると思われがちですが、工事区分はビルによって異なるうえ、区分によって費用負担や工事の内容も大きく変わります。そのため、希望する部分の工事が可能か、またどの区分に当たる工事となるのかは、事前にしっかりと確認してください。
手続きなどの漏れを防ぐためのチェックリスト
オフィス移転時には、住所変更や関係省庁への届け出など、多数の手続きが発生します。スムーズに進めるためにも、次のチェックリストを活用しましょう。
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