「焼売ブーム」到来!? かつや、大阪王将、味の素が熱烈に注目:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/7 ページ)
焼売に注目する企業が増えている。かつや、大阪王将、味の素が相次いで個性的な商品を投入。コロナで苦しんでいる居酒屋を救う可能性もある。
存在感増す焼売専門店
さらに、焼売市場を活性化させているのは焼売専門店の存在である。
前出のシュウマイ潤氏は「6〜7年前に東京にできた『野田焼売店』と『ミニヨン坂ノ上』が、現在増殖している焼売酒場の原型になっている」と説明する。
食品卸売業のクサマ(東京都新宿区)が2015年から展開する野田焼売店は、6種類のバラエティ豊かな焼売を前面に出した中華食堂。蒸す「焼売」にとどまらず、焼く「焼焼売」、揚げた「揚焼売」、スープに浸かった「水焼売」、唐辛子が刺さった「辛焼売」、チーズとバジルのイタリアン風「チーズ焼売」をそろえる。さらに、タレを9種類から選べるようにしている。
野田焼売店は焼売の他に、担々麺、四川麻婆豆腐を提供する。また、居酒屋としての利用を促せるように、よだれ鶏、油淋鶏といったメニューを用意。店舗は、東京・紀尾井町と駒込にあり、3月12日には埼玉県所沢市の「Emio新所沢」にスピンオフ店の「野田焼売店 辣痺(RABI)」を出店した。
また、東京・渋谷のミニヨン坂ノ上は、和食のビストロで焼売を出す店だったが、19年に「焼売酒場 小川」としてリニューアル。同店は岩手県のブランド豚「岩中豚」を使った焼売に加えて、自然派ワインやダッチオーブンを売りにした店づくりを行っている。
野田焼売店と焼売酒場 小川は、一般的な中華料理店で提供される焼売の枠を超えて、日本独自の焼売が大衆的に広がっていることを印象付けた。
そして、福岡の「焼売酒場いしい」、川崎の「焼売のジョー」、東京・新橋の「Tokyo焼売マニア」、大阪・アメリカ村の「スタンド酒場 焼売銭湯」といったように、焼売をメインにした居酒屋が続々と新規オープンしている状況だ。
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