“非効率”なブライダル企業が、コロナ禍でもいち早く黒字化できそうな理由:結婚式が激減(1/4 ページ)
コロナの影響でウェディング業界が苦しんでいる。そんな中“非効率”なサービスを提供していたある企業がいち早く黒字化しそうだという。なぜなのか?
新型コロナウイルスの影響で、ウェディング業界が軒並み赤字に苦しんでいる。
2021年になったらコロナが収束し、人々の生活が元に戻り、顧客が戻ってくると期待された。しかし、20年末から第3波に襲われ、足元では“第4波”と指摘されるほど感染が拡大している。
今後、外食や小売り、サービス業といった非製造業が、どこまで回復を見込んだ数字を出してくるのか。アナリストの間では、見解が別れているところだ。
黒字回復しそうな「ブラス」
ウェディング業界でも、他のサービス業同様に感染対策が求められている。主力の結婚披露宴が、大人数で密な会食を伴う“集会”として、自粛を要請されている状況だ。業績が堅調だった各社が相次いで赤字になっている。
そんな中、いち早く黒字回復の目処(めど)を立てているのが、東海地区を中心に展開しているブラス(名古屋市)だ。業界では、テイクアンドギヴ・ニーズやツカダ・グローバルホールディング(GHD)が大手で、新型コロナ流行前には売上高はそれぞれ600億円程度だった。ブラスの売上高は103億円で、業界内では中堅に位置していた(19年7月期)。
ブラスの20年7月期決算(19年8月〜20年7月)は、コロナの影響を受けたのが年度のうち半分だったにも関わらず、売上高79億円と大幅な減収になり、9.9億円もの営業赤字を計上した。
筆者は同社の動向を継続的にリサーチしている。いつも笑顔だった河合達明社長は、コロナで赤字に転落してしまった20年7月期の決算説明会において厳しい表情を見せていた。コロナ禍でリモート開催のウェディングが注目される中でも、披露宴会場での結婚式サービスにこだわり続けると言い切っていたが、業績が厳しいだけに、悲壮感が漂っていた。
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