物流業を苦しめる「ラストワンマイル問題」、米国ではどう解決? 4つの先進企業:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(3/3 ページ)
ラストワンマイル問題とは、配送の最終拠点から顧客の家までの区間(ラストワンマイル)に生じる、さまざまな問題を指すものだ。ラストワンマイル問題を解決する、米国の先進企業を紹介する。
以上、4つの異なるラストワンマイル問題解決ソリューションを挙げましたが、ドローンや自動運転トラックなど、実現に向けては法整備や規制の見直しなどの努力が必要な事例が多いことが分かります。交通・物流業界は規制が強い業界の一つです。ギグエコノミーを例にすると、ポストメイツドライバーが1時間以内に荷物を運んでくれるようにするためには、それを可能にする規制緩和が必要です。
自動運転に関しては、早い段階から試験段階のソリューションが試運転できる州としてアリゾナ州などに多くの自動運転スタートアップや企業が集まっています。今後も増え続けるEコマースの需要と成長を支えるのは物流の力でもあります。
“物流のアキレス腱”であったラストワンマイル問題を解決できれば、環境保護の観点からも、コストの観点からも良い結果をもたらすと期待できます。日本でも包括的な議論が必要になるでしょう。
著者プロフィール:石角友愛(いしずみ・ともえ)
パロアルトインサイトCEO/AIビジネスデザイナー
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科客員教授(AI企業戦略)を務める。毎日新聞「石角友愛のシリコンバレー通信」など大手メディアでの寄稿連載を多く持ち最新のIT業界に関する情報を発信している。
著書に2021年4月発売の『いまこそ知りたいDX戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、2021年3月発売の『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
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