「リードが枯渇する」「マネジメントできない」……インサイドセールスの悩みはなぜ起きる? 3つの失敗談から学ぶ!:“顧客との付き合い方”のデザイン法(3)(1/5 ページ)
実際の失敗談を基に、インサイドセールスの立ち上げやチーム運営においてのポイントをお伝えする。
私がビービットのインサイドセールスのチーム運営に関わり始めたのは2019年10月、約1年半前からだ。
当社のインサイドセールスチームは18年にできたため、本当の意味での立ち上げフェーズに関わっていたわけではない。しかし私がチームに参加したタイミングでは、責任者は3回変更しており、人員も3人(自分を入れて4人)と、ほぼ再スタートに近い形だった。
カスタマーサクセスと兼任する形でインサイドセールスの運営を続け、21年からは正式にインサイドセールスの責任者となったが、いまだに試行錯誤は続いている。本記事ではこの1年半の中で経験した失敗談を基に、インサイドセールスの立ち上げやチーム運営においてのポイントをお伝えしていきたい。
インサイドセールスの3つの特徴
インサイドセールスはカスタマーサクセスと並んで、ここ2〜3年で設置する企業が増えている機能の一つだ。
インサイドセールスの成り立ちや歴史については割愛するが、インサイドセールスが必要とされる背景には、サブスクリプションモデルの台頭により、各種プロダクトの利用ハードルが下がり、問い合わせや商談機会が増えたこと、それらに効率よく対応するために分業が必要となったことがある。そしてセールスプロセスや顧客の検討プロセスにデジタルタッチポイントが増加し、それらを活用する専任チームが必要になった。
まずインサイドセールスの立ち上げにあたっては、そもそもインサイドセールスを自社に置くべきか、そしてどのような機能とするかについての検討が必須なのはいうまでもない。ただし本稿では、それらの検討を経てインサイドセールスを設置することが決まり、運営することになった方が押さえておくべきポイントに的を絞る。
インサイドセールスの運営をする上で押さえておくべきインサイドセールス組織の特徴が3つある。それは
(1)顧客コミュニケーション量が多い
(2)ストックかつ長期的
(3)マーケティングとフィールドセールスの中間にいる
ということだ。
(1)の顧客コミュニケーション量は、他チームに比べると対象顧客層が圧倒的に広く、回数や頻度も多いので当然だろう。(2)のストックかつ長期的というのは、一度接触した見込み客に対しても、再度アプローチする、いわゆる「リサイクル」が重要ということだ。必然的に顧客とのコミュニケーションは長期にわたる。そして(3)のマーケティング(ここでは主にリード創出を担う活動・チームを指す)とフィールドセールス(いわゆる営業)の中間にいるのは、いわずもがなだろう。インサイドセールス単体では活動は成立せず、常に隣チームの影響を大きく受けるのがインサイドセールスだ。
インサイドセールスの立ち上げ時には、この3つの特徴に起因する失敗がよく起こる。ここからは、具体的な失敗エピソードを中心に、気を付けるべきポイントを提示していきたい。
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