急増する「焼肉の和民」が「牛角」の脅威に!? コロナ禍の“有望市場”を制するのはどこか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
ワタミが展開する「焼肉の和民」が好調だ。2020年10月に1号店をオープンしてから、3大都市圏で23店にまで拡大。同じ立地の「牛角」を脅かす存在になりつつある。
郊外ロードサイド向けの「かみむら牧場」
ワタミでは、郊外ロードサイド向け「幸せの焼肉食べ放題 かみむら牧場」の1号店(東京都大田区)を、20年5月にオープン。これは、焼肉の和民よりも早い出店だ。同店はコロナ禍にもかかわらず、累計で8万人を上回る顧客が来店している。
かみむら牧場も非接触を実現するため、特急レーンを導入。換気、消毒などを徹底させており、その成功が焼肉の和民につながっている。鹿児島にある国内有数の和牛生産者、カミチクグループとワタミで合弁会社ワタミカミチクを設立。国内4店、海外は台湾に1店を展開中だ。
カミチクグループのブランド黒毛和牛である薩摩牛を中心に、オーストラリア生まれの豪州Wagyuをカミチクで肥育した「南国黒牛」、米国など海外産を織り交ぜてリーズナブルに提供している。
価格は、100分食べ放題で、約86品「ジャストミートコース」(3278円)、約110品「王道!かみむらコース」(3938円)、約120品「和牛マニアコース」(4378円)となっている。小学生以下や65歳以上には焼肉の和民と同じく割引がある。
また、サラダバーや巻き寿司が提供されており、他チェーンとの差別化になっている。
平日ランチタイムには、カルビの定食を638円から提供している(ご飯お代わり自由)。ランチの価格は1人でも手軽に焼き肉を楽しみたい人には魅力的だ。
これまで、ワタミはロードサイドの実績が乏しく、焼肉の和民に比べてもかみむら牧場の展開には慎重だ。
その他、ワタミはテークアウトの需要が多い唐揚げ専門店「から揚げの天才」、韓国フライドチキン「bb.qオリーブチキン」といった新ブランドや、デリバリーの「ワタミの宅食」など、ニューノーマルに向いた業態の強化・拡大に熱心だ。特に、から揚げの天才は92店(4月6日現在)まで増えた。居酒屋を中心としたビジネスモデルからの脱却へと、待ったなしの覚悟が伝わってくる。
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