ニュース
1on1ミーティング、研修受け放題サービス導入……なぜ失敗? 良かれと思った育成施策の落し穴:人事施策のよくある誤解と失敗例(4)(1/3 ページ)
あらゆる人事施策には、メリットとデメリットがあります。他社にとっては良い施策でも、自社で導入してみると合わなかったということも起こり得ます。今回は、マネジメントや人材育成に対する誤解を紹介します。
あらゆる人事施策には、メリットとデメリットがあります。他社にとっては良い施策でも、自社で導入してみると合わなかったということも起こり得ます。本連載では、筆者のコンサルティングの経験から人事施策に関するよくある誤解と、その原因や対策について事例を交えてお伝えしています。
今回は、マネジメントや人材育成に対する誤解を紹介します。
1on1ミーティングに対する誤解〜スーパーマーケットG社の事例〜
G社は某県を中心に約50店舗を展開している中堅のスーパーマーケットです。ここ数年の積極的な店舗展開に伴って、社員数は700人を超えました。
しかし、各売り場の主任を任せられる人材が不足していました。人材育成について調べた結果、ヤフーを倣って店長による1on1ミーティングを導入することにしました。
導入当初は順調に行われているように見えましたが、徐々に形骸化し、上司・部下共に面談の時間を取らないようになっていきました。
G社の人事担当役員は「人材育成が喫緊の課題である」→「店長による1on1ミーティングを実施する」→「店長候補となる人材が育つ!」と考え、1on1ミーティングを推進してきました。この取り組みが形骸化してしまったのは、一体なぜでしょうか?
G社の失敗の主な要因は以下の3つです。
関連記事
- 新卒応募が57人→2000人以上に! 土屋鞄“次世代人事”のSNS活用×ファン作り
コロナ禍で採用活動に苦戦する企業も多い中、土屋鞄製造所の新卒採用が好調だ。2020年卒はたった57人の応募だったが、21年卒は2000人以上が応募と、エントリー数が約40倍に急増した。その秘訣を聞いた。 - 「米国型の血の通わないドライな制度」なのか オリンパスも導入する「ジョブ型雇用」への誤解とは
オリンパスが2019年4月から1800人いる管理職に対し、ジョブ型の人事制度を先行導入した。同社ヒューマンリソーシズヘッド(人事・総務担当)の大月氏は「日本の人々は、ジョブ型人事について誤解している部分がある」と力説する。どういう誤解だろうか。 - 「一部の人だけテレワークは不公平」の声にどう対応した? ユニリーバの自由な働き方「WAA」が浸透した背景を探る
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスでは、2016年に人事制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)を制定し、働く場所と時間を社員が選べる新しい働き方を取り入れた。しかし、工場やお客さま相談室など、一部の従業員は制度の対象外だった。「不公平」という声も上がる中で、どのように制度は浸透していったのか。島田由香さん(取締役人事総務本部長)に聞いた。 - チャット導入の“あるある”失敗談とは? 社内のITリテラシーを上げる四コマ漫画!
KADOKAWAグループの働き方改革をもとに生まれた、社内のITリテラシーを上げる四コマ漫画『マンガでわかる!驚くほど仕事がはかどるITツール活用術』がITmedia ビジネスオンラインに登場。今回は、チャット導入の“あるある”失敗談をお届けします。 - 「昇格機会は多い方がいい」「優秀な現場でOJT」──なぜ失敗? 良かれと思った人事施策の落し穴
あらゆる人事施策には、メリットとデメリットがあります。他社にとっては良い施策でも、自社で導入してみると合わなかったということも起こり得ます。今回は、等級・役職に対する「昇給機会は多い方が良い」という誤解と、OJTに対する「優秀なプレイヤーの背中を見て学ぶのが良い」という誤解について、事例をもとに原因と対策をお伝えします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.