コロナ禍でも従業員が結束して客数2倍! “収束後”を見据えて飲食店が取り組むべき「重要事項」とは:アフターコロナに備える(2/6 ページ)
度重なる緊急事態宣言で飲食業界が苦しんでいる。こんな時だからこそ、「ビジョン」が大切だと筆者は主張する。危機を乗り切り、アフターコロナを勝ち抜くために何が必要なのか。
アフターコロナの人材獲得合戦
日本農業新聞が21年2月に発表したデータによると、コロナ禍の業績不振により、上場外食企業の閉店数は3000店舗、早期退職者は1000人を超えました。こうした会社都合により飲食業界を離れざるを得ない人が増えています。一方、残念ながら「これから飲食業界で働くのは不安なので退職したい」という理由で、自ら業界を離れる人も増え続けているのが実情です。
今でこそコロナ禍によって飲食業界は縮小しています。しかし、コロナ禍の収束後には、上場外食企業を中心とした出店攻勢が強まります。まず、食事を主体とした非アルコール業態を展開する企業が出店攻勢に転じます。非アルコール業態は、居酒屋といったアルコール業態よりもコロナ禍の影響が少なく、業績回復が早いためです。
こうした上場している非アルコール企業は、コロナ禍で撤退したアルコール業態の居抜き店舗などを活用し、一気に成長を加速させます。一度リリースしてしまった人材を再確保する動きが出てくるため、ここで熾烈(しれつ)な「アフターコロナの人材獲得合戦第一波」が始まります。
その後、ワクチン接種などの効果もあり、経済活動がさらに活発化します。この動きに伴い、居酒屋などのアルコール業態も追随して出店戦略を進めることで「アフターコロナの人材獲得合戦第二波」が始まります。
人材獲得合戦の中で「人が採用できる企業」と「人が採用できない企業」の2極化が進行します。業績不振だけではなく「人材不足倒産」が多発するような事態も予想されます。
こうした傾向は新規採用に止まりません。既存スタッフも、より働きやすい企業に転職するようになるでしょう。その結果、「定着率が高い企業」と「定着率が低い企業」という定着率の2極化も加速します。
飲食業界はそもそも「人依存度」が高い業種です。ここで、人材不足が飲食店に与えるコスト面での影響について解説いたします。
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