苦境のぴあ、ワクチン予約システム提供へ 音楽フェス市場“消失”で「一刻も早く接種」促す:ノウハウ生かす
ぴあは5月13日、「チケットぴあ」にて自治体向けの「新型コロナワクチン接種予約受付・抽選サービス」を提供すると発表した。接種日や接種会場、施術時間帯などの個別予約受付と、その抽選が可能となるシステムをパッケージにして提供する。
ぴあは5月13日、チケット販売サイト「チケットぴあ」で、自治体向けに「新型コロナワクチン接種予約受付・抽選サービス」を提供すると発表した。これまで大規模イベントのチケッティング業務を受託してきたノウハウを生かす。音楽フェスの市場が“消失”する中、ワクチン接種を促し、市場の回復を急ぎたい考えだ。
接種日や接種会場、施術時間帯などの個別予約受付、抽選が可能になるシステムを提供する。14日から相談を受け付け、早ければ5月中にも提供を始める。料金は、受付1件につき1000円程度となる予定だ。
1回の予約受付で、同時に数十万件規模のアクセスに耐えうるという。
同社は「一刻も早くワクチン接種を進め、ライブ・エンタテインメントを、超満員の会場で、大歓声とともに楽しめる日が来るよう、バックアップをしたい」としている。
ぴあ総研の調査によると、2020年の音楽ポップスフェス市場規模は、前年比97.9%減の6.9億円に激減。ぴあは苦戦を強いられている。
同日、発表した21年3月期(20年4月〜21年3月)通期の連結決算は、売上高が673億円(前期比58.7%減)、営業損益が62億円の赤字(前期は11億円の黒字)だった。純損益は66億円の赤字(同1億円の黒字)に転落。イベントの開催が制限される中、ライブストリーミング配信を強化するなどしたが、赤字は避けられなかった。
ぴあは6月末には、チケットぴあ店舗の運営を全て終えることも発表している。
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