コロナなのに高級品が飛ぶように売れている! 富裕層を動かす「消費の玉突き現象」の正体:行動制限がきっかけ(2/5 ページ)
コロナ禍で日本全体の消費支出は減少しているとされる。一方、富裕層はさまざまな高額品をどんどん購入している。そのメカニズムは「消費の玉突き現象」だと筆者は説明する。
高級キャンピングカーが人気
今、日本ではキャンピングカーがよく売れています。特に1000万円を超えるような大型のキャンピングカーが好調です。中古の売れ行きもいいようですし、レンタル需要も過去最高です。
車中泊のできる場所も全国に増えており、まだまだ人気は続きそうな勢いです。
19年度におけるキャンピングカーの保有台数は、11万9000台(日本RV協会調べ)で、前年比6%増。10万台を超えたのは17年度でした。すでに10年前の2倍に拡大しています。
レンタルも人気で、20年の繁忙期の貸し出しは売り上げベースで前年比20%増。キャンピングカーレンタルは1日1万5000円、2日で3万円とレンタカーにしてはとても高いのですが、引き合いが非常に増えています。
近年、高級キャンピングカーは富裕層に人気です。ドイツのデュッセルドルフで開催された世界最大級のキャンピングカーショーである「キャラバンサロン2019」では、ドイツのフォルクナーモービルという会社のキャンピングカーが大変注目されました。価格は1億8000万円で、ポルシェも中に収納できる大型キャンピングカーです。
ポルシェとランボルギーニが伸長
このような動きは高級車市場にも表れています。輸入車の中でも特に、ポルシェの売り上げが好調なのです。
20年1〜12月の輸入車新規登録台数は累計で25万6096台。全体では、前年同期比85.5%と減少でした。多くはコロナの影響で売り上げを落としたのですが、ポルシェとランボルギーニは20年9月に過去最高の売り上げを記録しています。
特にポルシェは、年間でも101.3%と売り上げを伸ばしました。この10年で見ると、日本市場で売り上げを2倍に伸ばしています。1000万〜3000万というのがポルシェの価格帯ですから、BMWやベンツが安定した人気を誇る日本の輸入車市場の中でも、新しい動きが出ていると見てもいいでしょう。
クルーザー、ボート市場でも動きがあります。トヨタ自動車は1隻で2000万〜7000万円ほどのクルーザーに加えて、「レクサス」ブランドの高級ボートも19年から販売しています。20年に発出された最初の緊急事態宣言以降、販売は増加傾向です。また、1隻1000万円を超えるプレジャーボートを販売するヤンマーも、20年に一時期は受注が減ったものの、すぐに回復。現在は、納品が2年待ちという状況が続いています。
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