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コロナなのに高級品が飛ぶように売れている! 富裕層を動かす「消費の玉突き現象」の正体:行動制限がきっかけ(4/5 ページ)
コロナ禍で日本全体の消費支出は減少しているとされる。一方、富裕層はさまざまな高額品をどんどん購入している。そのメカニズムは「消費の玉突き現象」だと筆者は説明する。
富裕層の人口構成の変化
野村総合研究所の調査によると、日本の富裕層がここにきて増加していることが分かります。
同調査は、純金融資産の階層別に、保有資産規模と世帯数を各種統計数値から推計しています。このデータをもとに筆者が構成比を追記した図表を分析してみましょう
19年度の超富裕層(純金融資産保有額が5億円以上)と富裕層(1億円以上5億円未満)を合わせると132.7万世帯。それぞれ世帯数が増加しています。そして驚くことに、超富裕層は金融資産を17年比で13兆円、富裕層も同21兆円と大きく増やしていることが分かります。アッパーマス層(3000万〜5000万円)やマス層(3000万円未満)の金融資産が減少していることとあわせると、日本の顧客層は緩やかな2極化が始まっているとも言えます。
これを次のようなピラミッドにしてみると、その差は歴然です。
日本では米国のような極端な2極化は起きていませんが、2.5%の富裕層以上の世帯で、日本全体の金融資産の21.4%を占めています。超富裕層は1人当たり平均で11.15億円の金融資産を持ち、富裕層は1.9億円の資産を持っています。こうした富裕層がこの数年で確実に増加していることが、日本の高級品市場を支える背景になっているのです。
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