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パナソニックの“スピード開発”を後押し、Shiftall 岩佐CEOに聞く(後編)家電メーカー進化論(5/8 ページ)

岩佐琢磨氏は、新卒入社したパナソニックを2008年に退社し、Cerevoを起業。その後設立したShiftallは、全株式をパナソニックへ売却し100%子会社となる。後編では、現在パナソニックで担っている役割、家電メーカーが生き残るために必要な取り組みなどについて、Shiftall 岩佐CEOに話を聞いた。

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販路の新規開拓で、新たな道筋が見える

 パナソニックは国内だけでなく海外でも、製品を幅広く製造・販売しており、その販路は広い。それは強みでもあるが、販路は既存のビジネス向けであるため、新規ビジネスでそのまま生かせるものではないと岩佐氏は語る。

 「既存の販路では、箱にバーコードがないとダメとか、製品1つずつに通し番号を入れるとか、取扱説明書は何カ国語で書かねばならないなど、何十年と繰り返してきた中で出来上がったルールがある。既存の販路の人にはその人たちの矜恃があり、そこはリスペクトするべき。しかし取扱説明書は日本語だけでいい場合もあるし、アマゾンなどで売る場合はオンラインマニュアルのURLをQRコードで印刷しておけば、説明書自体は不要にもできる」(岩佐氏)

 例えばアマゾンの販売ページに、ただし書きで「紙の取扱説明書は付属しません」と書いておき、「紙の説明書がないから返品したいという場合は受け付ければいい」と岩佐氏は豪語する。

 「パナソニックの従業員のほとんどが、紙の取説を付けない商品を売ったことがないので、『そうするとクレームは来ないんですか?』と聞いてくる。でも1件くらいじゃないかな、と思うんです。そのくらいなら、必要になった時に会社のプリンターで印刷してお送り申し上げればいい(笑)」(岩佐氏)

 プリンターで印刷して、というのは半分冗談だろうが、これが“グローバルニッチ”な製品を十数年にわたって製造・販売してきた岩佐氏の肌感覚だ。

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