2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

低迷が長く続いていたのに、なぜ車いすに乗った「バービー」が売れているのか前年比16%増(2/5 ページ)

米マテル社のバービー人形が売れていることをご存じだろうか。90年代半ばをピークに、その後は売り上げが低迷していたにもかかわらず、なぜこのタイミングで“復活”したのか。背景には同社の戦略があって……。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

90年代半ばをピークに、その後は低迷

 まず、マテル社にとってバービーは特別な存在だということを強調しておきたい。1959年に発売され、米国のカルチャーアイコンにまでなったバービードールは、同社にとってナンバーワンのブランドであり、最大の売り上げを誇ってきたからだ。

 ところが、主要ブランドであるバービーの売り上げは、90年代半ばをピークに落ち込み危機的状態になっていった。そこで、同社は大きな改革に動き出した。

 その一つが、近年よく耳にする「Inclusivity(インクルーシビティー/包括性)」に取り組むことだった。インクルーシビティーとは、人種間の平等や多様性などを理解して尊重することだが、現代社会において最も重要視されつつある価値観になっている。

 そこで、多様性を尊重するインクルーシブな価値観が求められる時代背景に合わせ、バービーをアップデートさせることにしたのだ。


さまざまなバービーが登場している

 これまで、マテル社はブロンドヘアに青い瞳の白人をモデルとしたバービードールを中心に展開してきたが、15年に多様性を反映したコレクションを発表した。8種類のスキンカラー、14種類の顔、22種類のヘアスタイル、23種類のヘアカラーと18種類の目の色を組み合わせ、23体ものバービードールを登場させイメージの刷新を行なったのだ。

 さらに、16年にはより現実的なボディラインを意識して、オリジナルのバービードールのほかに、カービィー(ぽっちゃり)、トール(長身)、ペティート(小柄)の3つの新しい体型を取り入れたコレクションを発表した。

 よりユーザーに近い容姿を再現したバービーをコレクションに加えることで、多様性を尊重していることを強調した。また「Imagination comes in all shapes and sizes(イマジネーションは、すべてのカタチやサイズからやってくる)」というキャッチフレーズを使って、以前より問題視されていたバービーのボディイメージの改善に取り組んだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る