救世主は「ハンバーガー」!? 松屋、鳥貴族、ロイホが続々と参入するワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
外食大手が続々と「ハンバーガー」に参入している。コロナ禍で生き抜くために各社知恵を絞る。その背景とは?
ロイヤルHDはバターミルクフライドチキン
ロイヤルHDが提案する、バターミルクフライドチキン専門店「ラッキーロッキーチキン」1号店が、東京都品川区にオープンした。
メインとなるのが、バターミルクフライドチキンとフレッシュキャベツのビネグレットドレッシングサラダを、バンズで挟んだチキンバーガーだ。パクチーとハラペーニョが入っている。経営は傘下のロイヤルフードサービスだ。
店舗は、アーケードの長さ日本一の「武蔵小山商店街パルム」にある。昔ながらの生活感あふれるエリアだ。一方、東急目黒線が地下化して以来、一帯は再開発が進んでタワーマンションが建ち、新しいライフスタイルを持った住民も増えている。多様性のある立地だ。
顧客単価は675円を想定。メインターゲットは大学生や高校生だ。また、テレワークをする人のランチ需要、夕飯のおかず、お酒のおつまみとして購入してもらうシーンも考えている。購入の75%はテークアウトで、デリバリー15%、店内飲食10%という想定だ。
バターミルクフライドチキンは、米国で親しまれている家庭料理、コンフォートフード(懐かしさを感じる食品)だ。スパイスなどを加えたバターミルク液に国産鶏むね肉を一晩漬け込み、やわらかくしっとりさせて、12種類のスパイスが入った衣をまとわせ、スパイシーでザクザクの食感に仕上げた。
また、9種類のスパイスと3種類のかんきつ類などでつくる、オリジナルのクラフトコーラも売りだ。
5月28日に開催されたオンライン記者会見では、「日本でフライドチキンバーガー専門店は思い浮かばない。首都圏のさまざまな立地で検証し、今年は最大で10店を出店する」(ロイヤルフードサービス担当部長・石川敦氏)と差別化された業態に自信をのぞかせた。
価格は、「バターミルクフライドチキンバーガー」のオリジナルが500円、フライドポテトとドリンクRが付いたセットがプラス300円。「バターミルクフライドチキン」が1ピースで300円、「オリジナルクラフトコーラ」(R280円/L320円)なども用意した。
同社の20年12月期決算は、売上高が843億400万円(前期比40%減)、最終損益は275億3200万円の赤字(前期は19億2300万円の黒字)と苦戦した。外食よりも、ホテルや機内食の部門が落ち込んだのが響いた。そこで新しい柱を打ち出すため、持ち帰り需要が多いハンバーガーやフライドチキンを狙ってきた。
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