94年の歴史に幕 なぜミズノの淀屋橋店に入ると「ワクワク」するのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
ミズノの淀屋橋店が94年の歴史に幕を閉じる。もともと本社があったそのビルは、どのような特徴があるのだろうか。ユニークなデザインのエレベーター室があったり、大食堂があったり。その構造は、まるで……。
1955年に公開された映画『ゴジラの逆襲』(東宝)を見たことがあるだろうか。水爆実験で目覚めたアンギュラスとゴジラが戦うわけだが、個人的に気になったのは場所である。
大阪の淀屋橋でバトルが繰り広げられ、当時そこにあったビルや地下鉄などが次々に潰されていく。そして、注目は43分のシーンである。「ミズノの本社ビル」(当時、現在は淀屋橋店)が木っ端みじんに破壊されてしまうのだ。
本社ビルは、1927年に完成する。当時、大阪で7番目の高層ビル(8階建て)として生まれ、建物には「スポーツは美津濃だ」などと書かれた“ふんどし広告”が話題に。バブル時にはゴルフ人口が増えたこともあって、近くで働くサラリーマンが昼休みにお店に立ち寄って、ゴルフボールなどを買っていく姿がよく見られた。
そんな淀屋橋のシンボルの一つともいえるビルが、94年の歴史に幕を閉じようとしている。ゴジラとアンギュラスの手によって破壊されるわけではなく、再開発事業に伴って、6月30日に閉店する。残念ながら一度は更地になってしまうが、4年後に再び復活する。2025年秋に完成予定のビルの中に、生まれ変わってオープンするそうだ。
ところで、ミズノの本社ビルはどのような特徴があるのだろうか。「1927年に建てられた」と聞いて、歴史が好き&金融に詳しい人であれば、「まさか……」と思われたはず。この年、昭和の金融恐慌が起きていて、銀行で取り付け騒ぎが起きるほど、とにかく景気が悪かったのだ。そんなご時世にもかかわらず、でっかい建物をつくったので、周囲からは「ミズノさん、本当に大丈夫でっか?」と心配する声もあったそうだ。
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