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「黒にんにく」で大手の下請けから脱却 家族との衝突やリストラを乗り越えた“逆転劇”社長が語る(3/5 ページ)

大手メーカーの下請け事業で成長してきた宮崎県の会社がある。しかし、海外製品に押されて苦戦するようになる。新規事業として手掛けた「黒にんにく」を成長させた経緯を社長に聞いた。

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物産展や地元の朝市に出店したが苦戦した

 当初、籾木社長は地元の朝市や物産展などに出店し、B2C中心の販路開拓を目指した。しかし、黒にんにくの値段が1玉500円と聞いた客からは「なぜそんなに高いのか」と怒られたこともあった。07年の売り上げは400万円程度。とても事業として成り立つレベルではなかった。下請け事業の売り上げが億単位だったこともあり、父親からは「もっと売ってこい!」と厳しい言葉を投げかけられたこともあったという。

 そこで、籾木社長は販路開拓をB2B中心に行うことにした。大手スーパーのバイヤーなどが参加する展示会に参加したところ、少しずつ販路が広がっていった。当時、黒にんにくが珍しかったこともあり、新たな健康食品として期待されたことが背景にあったと籾木社長は分析する。また、スーパーや薬局など、業態ごとに最適な売り方を提案したこともプラスに働いたという。現在、B2BとB2Cの売り上げ比率は8:2だ。


共同開発した炉の中で熟成させる(提供:MOMIKI)

 販路を拡大する一方、品質向上の取り組みも行った。例えば、炉の中で黒にんにくを“熟成”させる工程において、品質にばらつきがあった。不良率が高く、少なくない数のにんにくを廃棄せざるを得なかった。宮崎県に相談したところ、宮崎大学工学部との産学連携を提案された。研究の結果、炉内の気流を均一化させることに成功し、品質が安定するようになった。

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