観光客頼みのビジネスモデルはどうなる? 沖縄「国際通り」の動き:コロナで撤退が続く(2/3 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大で人通りが減り、閉店や休業が相次ぐ那覇市の国際通りで、新規出店の動きが出ている。
土産品とは一線を画す商品
オリジナルTシャツ販売のコスミックは、コスメ専門の「THE KUCHA(ザ・クチャ)」を3月にオープンした。琉球王朝時代から洗髪料などに使われている泥岩のクチャを原料にしたせっけんやパックを販売している。
中野芳彦代表は「観光地で購入しておしまい、という土産品とは一線を画す商品を作っていく」と意気込む。
「長男」「夏女」といった斬新なデザインのTシャツが観光客からも人気を集めていた同社。中野代表は「観光に勢いのあったコロナ前までは、何をやっても売れていた」と振り返る。
ただ、コロナによる観光客の激減とともに売り上げも消えていった。「観光は水物と気づいた。きちんと利益の取れるビジネスモデルを作らないと生き残れない」と説明した。
「ずっと買い続けてもらえる商品」を念頭に新規事業を練っていると、クチャに行き着いた。沖縄でしか取れない天然素材で、細かい粒子が汚れや脂をよく落とす。
高価格帯を狙い、パッケージデザインにもこだわる。イラストは使わず、商品情報を英文でシンプルに表記した。中野代表は「これまでだったら、紅型やビーチのイラストを起用していた。素材に沖縄らしさがあるので、ほかの沖縄の情報は要らない」とする。
国際通りの新店舗は、顧客の反応を探るアンテナショップとの位置付け。来店客とのコミュニケーションを踏まえ、コンセプトやサービスなどを磨き上げ、ブランドを確立させたい考えだ。
開店後の3、4月の業績は黒字だった。ターゲットとしていた20〜40代女性を確実に捉え、20代男性にも売れた。中野代表は「美容に意識の高い男性の客層を知れたのは大きな成果」と喜ぶ。
県外大手の百貨店や通販サイトから出展の打診もあるという。中野代表は「県外にも店舗を持てるようにしたい」とコロナ後を展望した。
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