首都圏、商業施設の集客力ランキング 「渋谷ヒカリエ」や「伊勢丹 新宿店」を抑えて1位になったのは?:コロナ禍の影響も
日経リサーチが「首都圏利用商業施設(集客力)ランキング2021年春」を発表した。コロナ禍の影響も見られたが、1位になったのは?
デジタルマーケティングを手掛ける日経リサーチ(東京都千代田区)は、最新の「商業施設の利用実態調査(首都圏版)」の結果を発表した。商業施設の集客力ランキング1位は「西武池袋本店」だった。同店は、2020年秋の調査で15期連続1位だった「伊勢丹 新宿店」を抜き1位となり、今回もトップの座を維持した。
ランキング10位以内には池袋エリアの商業施設が3カ所もランクイン。20年春の調査と比較して、「西武池袋本店」「池袋サンシャインシティ(アルタ、アルパ)」の順位が上昇、「東武百貨店 池袋店」は順位を維持した。
また、4位の「池袋サンシャインシティ」をはじめ、「ラゾーナ川崎プラザ」や「東京スカイツリータウン(東京ソラマチ)」など、買い物以外にさまざまなレジャー(展望台や水族館)を楽しめる複合商業施設が順位を上げた。本調査は2回目の緊急事態宣言下で実施したため、「身近なレジャースポットとしてこれらの施設が集客力を発揮したのではないか」と日経リサーチは分析する。
渋谷・表参道エリアでは、3位の「渋谷ヒカリエ」を除き、食品フロアを持たない施設が大幅に順位を下げた。コロナ禍による巣ごもり需要で、商業施設の利用目的が「食品」の購入中心となったようだ。
居住エリアに近い商業施設を利用する傾向が近年強まっている。北千住、秋葉原、浅草、上野といった城東エリアは特に順位を上げている。「北千住マルイ」「ルミネ北千住」「ビックカメラAKIBA」「東京スカイツリータウン(東京ソラマチ)」「アトレ上野」の5施設が躍進した。いずれも、10キロ圏内の近場から、20〜30代の来街者の割合が増えた。コロナ禍で買い物場所は都心から居住地に近いエリアにシフトしていることが分かった。
都心の商業施設、特に百貨店は厳しい状況が続いている。しかし、大丸松坂屋百貨店がファッションのサブスクリプションサービスを、三越伊勢丹ホールディングスがVRを利用してショッピングができるアプリの提供をそれぞれスタートした。これらは、百貨店ならではのオンラインを利用した取り組みで、実店舗への集客も含めた相乗効果が狙いだ。
今回の調査は、首都圏約1万4000人の居住者を対象に実施。21年春における1都3県の商業施設約700カ所(一部圏外施設も含む)の利用状況などからランキングを作成した。
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