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商圏内で敵なし!? 「スマホでケンタッキーフライドチキンを検索」に隠された戦略:飲食店を科学する(2/4 ページ)
ケンタッキーフライドチキンが絶好調。看板商品のブラッシュアップや、マーケティングが成功した。一方、著者は「スマホでKFCを検索」にある戦略が隠されていると指摘する。
デリバリー&商品戦略
重要なポイントはデリバリーの強化です。19年にはデリバリー実施店舗が220店舗だった同社ですが、20年には376店舗(対前年170%)と増加。さらに23年までには553店舗と対19年比で2.5倍まで増やす計画を発表しています。
商品戦略を見ていきます。同社では創業以来の看板商品である「オリジナルチキン」に関して、コロナ禍におけるファミリー客の巣ごもり需要に対応する施策を打ち出しました。20年3月にはサイドメニューが選べてお得感のある「シェアBOX」を、同年7月には3種類のディップソースが付いた「ディップバーレル」というブラッシュアップ商品を数量限定でリリース。ファミリー層の支持を得ることに成功しました。
KFCで使用している鶏肉は全て国産です。多くのチェーン店が外国産食材に頼る中で「100%国内産」というのは同社の大きな強みになっています。さらに、看板商品のオリジナルチキンに関しては、店内で20工程を経て手作りで仕上げています。こうした安心・安全を全面に打ち出した商品戦略が、改めてファミリー層から大きな支持を得て、コロナ禍における好調な業績に寄与しました。
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