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福岡銀行がFundsのクラファン経由で、“わざわざ”融資資金を集める理由(1/2 ページ)
クラウドファンディングの世界に国内初の取り組みが現れた。6月22日、福岡銀行はクラウドファンディング事業を提供するFundsと組んで、「銀行の融資にクラウドファンディングを組み合わせ、非上場企業を中心にマーケティング付加価値を組み合わせた融資」を発表した。
クラウドファンディングの世界に国内初の取り組みが現れた。6月22日、福岡銀行はクラウドファンディング事業を提供するFunds(ファンズ、東京都港区)と組んで、「銀行の融資にクラウドファンディングを組み合わせ、非上場企業を中心にマーケティング付加価値を提供する」(福岡銀行の営業統括部、山本智正部長)を発表した。
通常の融資型クラウドファンディングでは、投資家は匿名投資組合を通じて企業へ融資を行う。この場合、企業の信用リスクを抱えることになり、その企業が破綻したら貸し付けたお金が返ってこないこともあった。
今回の仕組みでは、投資家は匿名投資組合を通じてまずは福岡銀行に貸し付けを行う。福岡銀行は集めた資金を、非上場の地元企業に融資する。投資家のリスクは、福岡銀行の与信リスクに限定されており、実際の貸し付け先企業に何かあっても、福岡銀行が投資家の資金に責任を持つ形だ。
では、なぜ福岡銀行は融資先企業のリスクを引き受けてこのような取り組みを行うのか。実は、資金調達が目的ではなく、クラウドファンディングを通じたマーケティング活動に価値を置いているからだ。
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