4カ月で2万個が売れた! なぜアサヒは食べられる容器「もぐカップ」を開発したのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
アサヒビールが3月に発売した、食べられる容器「もぐカップ」が人気を集めている。販売目標は年1万個を掲げていたが、わずか4カ月で2倍の2万個も売れている。それにしても、なぜ食べられる容器を開発したのか。開発者に話を聞いたところ……。
「ゴクゴクゴク、バリバリバリ、ゴクン」――。先日、ビールを飲んだとき、このような音がした。
「なんだよ、それは。ビールを飲んだときの音といえば、『ゴクゴクゴク、プハァ〜、うめえ!』だろっ」と思われたかもしれないが、実際「バリバリバリ」といった音がしたのだ。どういうことか。
音の正体はアサヒビールが発売した、食べられるコップ「もぐカップ」である。容器として使ったあとはモグモグできる「使い食べ」をコンセプトに発売したところ、初年度の目標1万個に対して、わずか4カ月で2万個も売れているのだ。とはいえ「バリバリバリ、ゴクン」したことがない人も多いと思うので、商品のことを簡単にご説明しよう。
もぐカップは、3月10日に登場(オンラインショップのみで発売)。昨年、飲食店やコワーキングスペースで実証実験を行ったところ、食べた人から「家でも使ってみたい」「ギフト向けに購入したい」といった声があったので、一般発売することに。商品ラインアップは、「プレーン」「えびせん」「チョコ」「ナッツ」の4種類。1箱10個入りで販売していて、サイズはS(1150円)、M(1200円)、L(1400円)の3種類を用意した。
それにしても、である。ビールやジュースなどはコップや缶で飲めばいいのに、なぜわざわざ“食べられる容器”を開発したのか。同社で容器担当をしている古原徹(こはら・とおる)さんに聞いたところ、「容器開発の仕事をしていますが、ジレンマを感じていまして。飲料を飲み終わったあとに、容器ってゴミになりますよね。飲み終わったあとでも、社会に貢献できるモノをつくることはできないかと考えていました」とのこと。
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