「ドラレコ」の売れ筋価格が急上昇 “高付加価値化”が止まらない根本的な理由:マーケティングの視点から分析(3/5 ページ)
ドライブレコーダーが急速に普及している。なぜ、カー用品の大ヒット商品に育ったのか。筆者の分析によると……。
シェア11%を超えると商品普及は一気に進む
日本のドラレコ市場規模の推移を見ると、拡大の流れが一目瞭然です。
16年度の出荷台数は日本全体で145万台だったのが、17年度に266万台へと83%増加。その後も30%以上の増加ペースが続き、20年度で450万台を超えました。16〜20年にかけての累計出荷台数は1720万台を超えています。
全体でのドラレコ搭載率は54%。また、この2年間だけでも自家用車への搭載数は640万台を超えています。日本の自家用自動車保有台数6000万台のうち、シェアは11%程度(20年度は10.7%)にまで拡大したことが分かります。シェア11%を超えると商品普及は一気に進むと言われており、21年度はドラレコが一般客市場で大きく売れることが予想されます。
BCNの調査によると、20年度はコロナの影響で移動制限がかかり、4〜6月に出荷ベースは落ちました。しかし、その後は再び出荷ペースは上昇。20年7月以降の店頭での売り上げが急増しています。
ドラレコが20年7月から急増した理由は、同年6月末に改正道路交通法が施行され、あおり運転への罰則が厳しくなったためです。急ブレーキや車間距離不保持などにより他の車両の運転を妨害した場合、運転免許の取り消しと3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられることになりました。また、著しい交通の危険を生じさせた場合には5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
こうした法改正を積極的に周知することで、20年7月以降の販売ペースが、前年比約3割増で推移した店もあります。
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