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ハイブリッドやEVのバッテリーはいつまでもつ? 寿命を決める温度管理高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)

EVで気になるのは、やはりバッテリーの耐久性だ。寿命はバッテリーの特性によっても異なるが、実際の車両では温度管理などのマネジメントによるところが非常に大きい。

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 テスラが優れているのは、このバッテリーのマネジメントが巧みなところだ。他社がラミネート型や角型のバッテリーセルを採用しているのに対し、単3電池を大きくしたような円筒型のリチウムイオンバッテリーを用いているのも特徴だ。元々ノートPCなどに使われている円筒型セルをEVに大量に仕様したのがテスラのルーツだが、それを踏襲しているのには理由がある。

 ラミネート型でも角型でも円筒型でも、どれもリチウムイオンバッテリーとしての性能は同一(正極や負極の素材が同じならば)だが、ラミネート型は最もケースが薄く容量を稼げる上に熱伝導もいい。角型はケースの素材にもよるが、ラミネート型ほどではないにしろ、スペース効率に優れている。

 一方、円筒型は各セルをまとめようとしても接触するのが円周上の1点だけの線接触になるため、隙間ができてしまうのでスペース効率としては悪い。しかしテスラはこれを逆手にとって、セルの間に水路を通して各セルを密着しないようにした。セル毎の温度差が小さくなり、劣化のバラつきを抑えることを狙ったのだ。

 パナソニック製のセルを使っていることもあり、テスラのバッテリーに対する耐久性の評価は高い。同社は最近、パナソニック製だけでなく、中国CATL製のLPO(リン酸鉄リチウム)バッテリーを採用し始めたが、形状としては同じ円筒型を用いていると思われる。


テスラモデル3のバッテリーユニット。モデルSでは各セルの間に冷却水チューブを一筆書きのように這わせているが、モデル3では冷却水を通すアルミ製の中空プレートを長辺方向に渡している。コストダウンしつつも各セルを均等に冷やすということにはこだわっている。サイズは異なるが使用する電池も円筒型だ

 もっとも先日、テスラの高性能モデル「モデルSプレイド」が米国で炎上事故を起こしたらしい。まだ原因が特定できていないにせよ、通常の使用で発火するようでは、自動運転システム以外にもテスラ車にはまだ安全性の優先度が低い面があるといえそうだ。

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