2015年7月27日以前の記事
検索
連載

市場は7割減! “スーツ離れ”を断ち切ることはできるのかスピン経済の歩き方(4/7 ページ)

スーツ市場が苦戦している。ピーク時(1992年)に比べて、販売数が7割ほど減少しているが、どうすれば回復することができるのか。筆者の窪田氏は……。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

「制服スーツ」に注目

 メリットは会社側にもある。実は今、多くの日本の会社は「社員の一体感がない」ことに頭を悩ませているのだ。

 かつて日本企業は「大家族主義」を掲げて、社員の間に家族のような一体感を抱かせるため、社内運動会や忘年会などのイベントを重視していた。しかし、パワハラ、セクハラ、若者の酒離れなどのさまざまな問題から、このようなイベントに社員を強制的に参加させることが難しくなってきている。

 終身雇用が崩壊して、かつてほど会社への忠誠心も薄れてきている。そこに加えて、コロナ禍によって社員同士のコミュニケーションまで激減している。PC画面上でしか会っていないまま、他部署へ異動してしまった同僚がいる、なんて話も珍しくなくなっている。


テレワークの長期化で、社員同士のコミュニケーションが減少している(提供:ゲッティイメージズ)

 そこで注目されているのが、「ユニフォーム」だ。

 実は心理学の世界では「ユニフォーム効果」という言葉があって、働く人が制服を着ることで仕事に対しての責任感を持つことや、モチベーションが向上して、職場の一体感を感じやすくなることが分かっているのだ。

 ここまでいえばお分かりだろう、「制服スーツ」の導入は、今後ますます人間関係が希薄になっていく企業で、社員のモチベーションアップ、チームの一体感など労働環境の改善につながるのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る